フンフンフン♪


私は、鼻歌を歌いながら、桜の葉を塩水で浸していた。


彼氏の桜君のために作るさくら餅。


彼氏の名前は、桜勇気。私の名前は、桃花さくら。


同じ桜同士。


趣味がパチンコと料理。


どちらとも。


彼も私も


合コンで知り合って、パチンコの話になった訳。


好きな機種がもろかぶりで、盛り上がって、話を聞いたら、本当にもろかぶりなの。


趣味も、好きな食べ物も、好きな芸能人も、好きな本も、好きな漫画も、考え方も、顔つきとかもそっくりで、よく双子とかに間違えられるくらいで………


まだ、付き合って1ヶ月だけど、彼の考えてる事はだいたい分かる。多分、彼もそう。


運命の人。


私はそう思う。彼も多分、そう思ってくれてる。


運命の人だから、誰にも作らなかった桜餅を作ってあげられる。


この桜餅、かくし味がミソだから。


そういえば、彼も桜餅を作ってくるって、


お互いに見せあいこする。


「できた」


餅米にアンコを入れこんで、桜の葉をまいて完成。


本当は、まだ完成じゃないんだけど。


ニヤけてしまう。私の桜餅を見たら、どんな顔をするんだろ。


想像がつかない。


ピンポーン


インターホンの音。


彼はケーキの箱を持って、部屋に、入ってくる。


少し談笑して、桜餅の見せあいこ。


私は彼に桜餅を見せる。


白い餅餅


「白……」


彼は、短くつぶやく。目を見開いて私の顔を見る。


もしかして、もう気づいちゃったの??


私の桜餅は、完成していない。さくらを殺して、彼の血をたっぷりと含ませて完成する。


そして、彼と私は完全に、本当に、一緒になる。


「そっか、やっぱり桜は僕の運命の人だったんだ」


彼は優しくそう言って笑っていた。
ケーキの箱から白い桜餅が見える。

右手にナイフを持って。


私も包丁を持って笑っていた。


やっぱり、貴方は運命の人だったんだ。