戦も終焉を迎える頃
私は銀時と町に出ていた
何やら橋の下が騒がしい
『なんや?』
『さァ』
銀時はアイスを食べながら怠そうにしている
橋の下をよく見ると幕府に粛清された人たちの首が晒されている…
『銀、見てみー!』
私はびっくりして銀時の着物を引っ張った
『何だよ?』
相変わらず怠そうだったがゆっくり下を見渡すと
『!!!』
銀時はいきなり血相を変えて橋の下に降りていった
私は訳がわからなかったがとりあえず銀時の後を追う
『し、松陽先生?』
『えっ?この人が松陽先生?な、なんで?』
『わからねー…でも何で先生が……』
銀時はその場で崩れるように倒れ込みしばらく呆然としていた
しばらく時間が止まっていただろうか、沈黙が続く
『うぉぉぉぉぉぉぉー』
銀時はその場にひざまずきぶつけようのない怒りと悲しみをどうしたらいいのかわからない様子で悲痛に叫ぶ
私はそんな銀時を見つめる事しか出来なかった
『……』
『……』
『なぜ松陽先生が殺されなければいけない?』
沈黙の中小太郎が口を開く
幕府が天人の絶大な力を見てあっさと受け入れ条約を締結した
それに松陽先生たちは納得出来ず幕府に反論したために反感を買ってしまったのだ
そのために殺害されてしまったらしい…
『俺達は何の為に戦ってきたんだ!俺は…俺は…』
晋助の叫び声が響き渡る
『俺とて幕府が憎い!』
二人の声を聞いても銀時は何も語ろうとしない
目の前で松陽先生の死を見たにも関わらず冷静に振る舞っている。
それが逆に切なくてそんな様子を辰馬と私には何も言ってやる事が出来なかった
その日の夜、一人外で黄昏れている晋助を見つけた
『晋助…』
晋助はこちらを見ようともしない
『晋助!!』
晋助の肩に手を置き顔を覗いた
私はハッとした
涙が頬を伝っている
その表情は悲しさよりも憎しみに満ちているというような表情をしていてそんな晋助の顔を見たのは初めてだった
月の光が残酷にも晋助の涙をキラキラと照らし出す
私もそんな晋助を見ていると辛く切なく、黙って晋助の手を握りしめ側にいた
晋助は私の手を振り払う事も受け入れる事もしなかった
ただただ空を見上げているだけだった
次の日、晋助の姿が見えない
何だか胸騒ぎがする
『高杉!!』
『晋助!!!』
晋助が傷だらけになって帰ってきた
私たちは晋助の側に駆け寄る
『お前!その目どうした!?』
『貴様、まさか!』
すると晋助は薄気味悪い表情を浮かべ
『幕府のヤロー共をぶっ潰しにいってたんだよ!』
晋助は人が変わったようだった
そんな晋助の態度が気に食わなかったのか銀時が晋助の胸倉を掴み
『バカヤロウ!そんな事をして何になる!』
そう言って晋助を思いっきり殴り飛ばしたのだ
晋助はその場に倒れ込むが鋭い目つきで
『銀時、テメーは悔しくねーのかよ!』
『悔しいに決まってるだろーが!だからってやっていい事と悪い事があるんだよ!』
『だったら何で何もしねーんだよ』
晋助も負けじと銀時を殴る
『俺は目の前にあるモン護りたいだけだ。もう何も失いたくねーんだよ!』
そう叫ぶと銀時はその場から足早に離れてしまった
『高杉…俺とてこの世界が憎い
だがアイツが…それに耐えているのに
目の前で松陽先生の死を見た銀時が耐えているのに俺たちに何ができる…』
『ククッ、俺は腑抜けたヤローに用はない』
そう言って晋助は小太郎の前から立ち去る
『高杉!!』
小太郎の声も届かない
部屋に戻った晋助が心配になり私は晋助のもとへ訪ねてみた
『晋助入るで』
『……』
『晋助…目大丈夫?』
晋助は何も応えない
私は晋助の傷を手当てした
手当てをしながらどうしようもなく切なくなり涙が零れる
『ククッ、テメーも俺なんざに構うんじゃねーよ!』
晋助の冷たい視線が刺さる
こうも人が変わるのか…
仲間の声も届かず
誰も受け入れず
晋助にとって松陽先生はそれほど大きくとても大切な人な存在だったんだ
(晋助…それでも私はあなたが好きだよ)
それからの晋助も相変わらず無茶をしこの世の破壊をする事だけの為に生きているようだった…
しばらくし戦争は終焉を迎えた
辰馬は宙へ
銀時と小太郎は江戸に
そして晋助は……
幕府からの追跡を逃れるために京に潜伏した
仲間を失い
自分自身さえも捨てて獣のように成り果て…
それでも私は
晋助の側から離れない
いつか晋助が元に戻ると願って……
そばにいる そこがどんなに哀しい夢の中でもかまわない
同じ瞬間を生きていたい with U...
I pray..."答えて"
もし許されるなら君の涙に触れたいよ... baby
I pray..."信じて"
冷たい記憶の闇 切り裂いて