今朝の日曜美術館で『高島 野十郎』と言う人の絵を紹介していました。


とても真面目な人だったようです。


一枚の絵に、十何年も掛ける・・・一筆一筆心を込める。


『滝』?『流』?・・・よく字が見えなかったのですが・・・。


水の流れをジッーっと見ていたら、水の動きが止まって、周りの岩が動き出したんだって。


彼は、水の流れを描いたのではなくて、岩の動きを描いたと言うのです。


それって凄くないですか??その発想が??


五重塔の絵があって、近所の人が「この絵が欲しい」と言うと「私が死んだら、貴方にあげます。」とくるりと背を向けて言ったそうです。

「彼は泣いている様だった」とその人は言いました。


「高島さんにとってこの絵は、娘を嫁に出すような思いで描いた絵だったのでしょう」と言っていました。

この一枚を仕上げるのに 17年かけたそうです。


その絵が盗まれ、見つかった時にはカビだらけの無残な姿だった。

ある家の縁の下で、4年間も風雨に晒されていたと言うのです。


しかしその絵には、あらゆる保存の工夫がされていた為に、復元する事が出来たそうです。


復元師の方が「こんなに絵を大切に描いている人は初めてです」と言っていた。


死ぬまで無名・・・もし絵が盗まれなかったら、高島さんの絵は人目に晒されなかった。


己に厳しく、絵に対して真面目に、絵を愛して・・・描く事に拘った。


こういう人が好きだなァ~~