今日は晴天。どこまでも澄み渡る青い空。片隅に浮かんでいる白い雲。今日はのんびりお空でお昼寝してる。そんな雲の下の方で、蜘蛛はじっと空の雲を見つめていた。

「おーい、雲や。」

蜘蛛は昼寝で夢見心地の雲に話しかけた。

「なんだ、蜘蛛。」

「あんた、高い所で気持ち良さそうだな。俺あんたくらい高い所に行ってみたいものだ。いや、あんたを超えてやる。」

自信あり気に蜘蛛は言った。

しかし雲は相手にせず、

「何を言ってやがる。お前みたいに小さいのが俺を超えることが出来るもんか。」

と答えた。

「まあ見てな。」

蜘蛛ははるか上空に浮いている月に向かって糸を飛ばした。そして地上から月に至るまでの大きな蜘蛛の巣を作り上げた。蜘蛛は雲よりも遥か上空、月にまで登っていった。