第二話 『轟く閃光、キュアライトニング登場!!』 前半 | WakeUp!プリキュア3shine!

第二話 『轟く閃光、キュアライトニング登場!!』 前半

WakeUp!プリキュア3shine!-8:30


・場面 《輝の夢の中》
 画面、少し霞みがかったようにほのかに白い。
 キュアグロウが第一話で戦ったネムイナーと戦っている。
 『プリキュア!サンライト・クエイク!!』
 必殺技炸裂。
 

WakeUp!プリキュア3shine!-回想


ネムイナー撃退。
 グロウ 「はぁ……はぁ」
 息を切らせながら立ち尽くすグロウ。
 上方向(空)から光が降り注ぐ。
 グロウ、空を見上げる。
 画面、空で輝く光。
 そこから朝焼けの女神が現れる。
 女神(朝) 『……はじめまして。プリキュア』
 画面、見上げているグロウ。
 グロウ 「あなたは?」
 女神(朝) 『私は夜明けを司る朝焼けの女神です』
 グロウ 「女神様?」
 女神 (朝) 『あなたを巻き込んだこと、申し訳なく思います。ですが、今世界に起きている悲劇をどうにかできるのはあなたしかいないのです』
 グロウ 「え?え?……わ、私ですか?!」
 女神(朝) 『そうです。今、人々が見る夢は太陽の国に溜まったまま、世界を廻す力を失っています。それらを救えるのは、伝説の戦士プリキュア……あなたです』
 グロウ 「で、でも、そんなこと私だけじゃ無理っていうか……」
 女神(朝) 「心配は要りません。あなたは1人じゃありませんよ」
 

WakeUp!プリキュア3shine!-02 03


グロウ 「え?」
 女神(朝) 『夢を希望へと変える心を持った者が、まだこの街にあと2人居ます。あなたと同じプリキュアの資格を持った者が……きっとあなたを支えてくれるでしょう』
 
グロウ 「私と同じ?」
 光、徐々に強くなっていく。
 女神、ゆっくり消え始める。
 グロウ 「あ、あの!」
 
女神(朝) 「どうかこの世界を……そしてありとあらゆるものが見る夢を守ってください……お願いします。キュアグロウ」
 画面、光に包まれる。

 

・場面 《輝の部屋》
 画面、輝の顔アップ。
 ハッと目を開ける輝。
 画面、輝を中心に部屋を見回す。
 ベッドから上半身を起こす輝。
 周囲を見回した後、正面を向く。
 輝 「……夢?」
 ぼーっとした表情の輝。
 少し間を置いて表情が緩む。
 輝 「なんだぁ……全部夢かぁ」
 ベッドから出てウーンッと身体を伸ばす。
 輝 「うーっん……ん?」
 ふっとベッドの上に目をやる輝。
 画面、ベッドの上で丸くなって寝ているレム、ノン。
 スイミーだけ身体を伸ばしてうつぶせに寝ている。
 画面、レムたちを無表情で見ている輝。
 輝 「……」
 画面、レムたちに戻る。
 レム、モゾモゾと目を覚ます。
 レム 「うーん……あ、輝。おはようレム」
 輝 「……」
 レム 「?どうしたレム?輝」
 輝、驚いた表情でレムを指差す。
 輝 「……夢じゃなかったのぉおお?!!」
 叫ぶ輝。
 画面、マンションの外見。そこから画面、空を見上げる。


 ・OP


WakeUp!プリキュア3shine!-sub02


・場面 《朝日家 キッチン》
 朝食とお弁当を作っている輝。
 フライパンからウインナーを皿へと移してる。
 輝 「まさか、昨日のあれが夢じゃないって、ホントに信じられないんだけど……」
 レム 「昨日の夜にあれほど説明したレム!?」
 キッチンとリビングを隔てているカウンターに座っていたレムが少し怒った感じで手を上下に振ってる。
 輝 「いやはは……ごめんなさい。途中で寝ちゃったみたい」
 苦笑いを浮かべる輝。
 レム 「レム~~」
 不満そうに頬を膨らませるレム。
 レム 「経緯はどうあれ、プリキュアに選ばれた以上、ちゃんとしてもらわなければ困るレム」
 レム、腕を組んで頷きながら喋る。
 輝 「ちゃんとって……あと2人のプリキュアを探す、とかかな?」
 レム 「なんだ、ちゃんと覚えてるじゃないかレム」
 レム、驚いた顔の後、笑顔になる。
 輝 「ううん……なんか、夢で女神様に言われたの。あと2人のプリキュアを見つけて、この世界の夢を守ってくださいって」
 輝、再びフライパンを火にかける。
 レム、腕を組んで頷いている。
 レム 「そうレム。女神様の言うとおり……って、女神様レム?!!」
 ビックリした表情で飛び跳ねるレム。
 輝 「を!びっくり」
 輝もレムの声にビックリする。
 レム 「め、女神様と会ったレム?」
 輝 「う、うん。夢の中で」
 レム 「女神様は他になにか言ってたレム?」
 輝 「う~~ん……」
 人差し指をおでこに当てて考える輝。
 レム 「……」
 輝 「あ、その2人のプリキュアがきっと私を支えてくれるって」
 レム 「そうレム。プリキュアは1人じゃないレム。あと2人のプリキュアを見つけて3人で協力して夢を守っていくレム」
 興奮したように腕をブンブンと振り回しながら喋るレム。
 レム 「プリキュアになるためには資格が必要レム。まずはその資格を持った人を探すレム」
 輝 「資格?資格ってどんな?」
 レム 「プリキュアになるためには何事にも負けない強い心を持っていて、夢を大切に思っている必要があるレム」
 輝 「私はその条件に合ってたの?確かに夢は持ってるけど、強い心っていうのは……」
 レム 「持ってたレム。レムたちがディザイヤーに襲われてたときに、恐怖に屈しないで守ってくれたレム」
 輝 「あ、あれは……無我夢中で」
 レム 「でも、それが強い心レム。輝はプリキュアの資格をちゃんと持ってるレムよ」
 輝 「えへへ、そ、そうなのかなぁ」
 輝、照れる。
 廊下へと続くドアが開く。
 光一登場。
 光一 「おはよ~」
 あくびしながらリビングへ入ってくる光一。
 レム 「!!!」
 レム、驚いて硬直する。人形のフリ。
 輝 「お、お父さん!……お、おはよう」
 焦る輝。
 光一 「なにか話してるような声だったけど……誰と話してたんだい?」
 眼鏡を掛け直して、リビングを見回す。
 輝 「え?……え~っとぉ」
 横目でレムを見る輝。
 レム、冷や汗をかいてる。
 輝 「ひ、独り言だよ~。夢中になると、つい出ちゃうんだよね」
 光一 「そうか……確かに、そうだな」
 納得したように、光一が頷く。
 光一がレムに気が付く。
 光一 「ん?輝、こんな人形持ってたか?」
 光一、レムを持ち上げ、マジマジと見る。

 

WakeUp!プリキュア3shine!-02 01


レム、汗が増える。
 輝、慌てて光一からレムを取り返す。
 輝 「こ、これは……も、貰ったんだよ」
 輝、汗をかきながら笑顔を作る。
 光一 「もらった?だれに?」
 輝 「え、え~っと……と、友達に」
 光一 「友達っていうと、黄川さんところのお嬢さんかい?」
 輝 「え?………あぁああ!!」
 何かに気が付いた輝。大声を出す。
 抱えていたレムに顔を近づけて、うれしそうに叫ぶ。
 輝 「居た!居たよ!とってもぴったりな人が!」
 レム、硬直したまま汗を流している。
 光一 「え?……うん?」
 光一、びっくり。

 

・場面 《サンタマリア学園 昇降口》
 画面、あかりの顔アップ。
 あかり 「ヘックシュンッ!!」
 上履きを下駄箱から出している途中でクシャミをするあかり。
 あかり 「……ん?」
 指で鼻を擦りながら辺りを見る。

 

・場面 《通学路》
 輝、鞄を肩に掛けて通学路を走っている。
 レム 「プリキュアの資格を持ってる子に心当たりがあるレム?」
 鞄の中から顔だけ出してるレムが訊く。
 輝 「うん!とっても頼りになって、いつも私を助けてくれる大好きな親友なの」
 ノン 「んしょ……ノンもいっつも助けてくれるレムが大好きノン」
 ノン、鞄から頭だけ出してレムに抱きつく。
 レム 「ノン、やめるレム。狭いレム」
 ノン 「レムを好きなのはやめられないノン」
 スイミー 「僕を踏むのはやめてくれミー」
 輝 「はぁはぁ……(あかりちゃんなら、きっと一緒にプリキュアやってくれるよ)」()は心の声。
 画面、走っている輝の後姿。そのまま先に見えるサンタマリア学園を映す。

 

・場面 《サンタマリア学園 2-B教室》
 あかり、自分の鞄から教科書を取り出している。
 画面、教室のドア。
 ドアが開いて息切れをしている輝、登場。
 輝 「はぁ……はぁ」
 輝、あかりの席へと走る。
 机を挟んで向き合う。
 机に身を乗り出して、興奮したように喋る。
 輝 「はぁはぁ……あかりちゃん!」
 あかり 「お、おはよう輝」
 びっくりして、身体が少し仰け反るあかり。
 輝 「はぁ、はぁ……お、おはよう」
 息を整えようと頭を下げて呼吸を繰り替える輝。
 あかり 「ど、どうしたの?」
 驚いた顔をして、輝に訊くあかり。
 輝 「はぁ、はぁ……あ、あの、あのね」
 あかり 「あ~、落ち着いてからでいいよ」
 両手を上下させて、なだめる仕草をするあかり。
 輝 「う、うん……はぁはぁ」
 キーンコーンカーンコーンと本鈴が鳴る。
 教室のドアが開き、先生が入ってくる。
 先生 「よ~し、出席取るぞ。席について」
 輝 「……」
 輝、肩を上下させたまま静かに自分の席に座った。
 それを目で追っていたあかりが、小声で輝に喋る。
 あかり 「また昼休みにでも聞いてあげるから」
 輝 「はぁはぁ……う、うん」
 鞄から頭を少し出すレムとノン。
 レム 「こんなんでディザイヤーと戦うなんて、不安レム」
 ノン 「ノン……」

WakeUp!プリキュア3shine!-02 04

・場面 《敵組織・ディザイヤー 本拠地》


 画面、黒く塗りつぶしたような寂れた城。
 その一つの窓から中へ入るように画面が近づく。

 

・場面 《本拠地 内部 ラウンジ》
  画面、カラカラと回っているルーレット板。玉がその中を勢い良く滑っている。
 画面、汗を流しながら俯いて立っているダハー。
 部屋の中央に置かれたルーレット台の炎がぶわっと激しく燃え上がる。
 ダハー 「ひっ!!」
 ビクッと身体を強張らせるダハー。
 カフェイン 「一体どうしたというのですか?ダハーさん。秘宝の情報すら持ち帰れずに、しかも何者かも分からない部外者に返り討ちにあってくるなど……」
 カジノのディーラーが立つ位置に居たカフェインが呆れたように訊く。
 ダハー 「ぐぐっうぅう」
 拳を握って、プルプル震えているダハー。
 ネブソクーン 「どうしたダハー!なにか言わぬか!!」
 部屋の壁を震わすほどの怒りの声が響く。
 ダハー 「ひっ……は、あの……朝焼けの使者はすぐに見つけたのですが……プ、プリキュアと名乗るものが邪魔を……」
 ネブソクーン 「プリキュアだと?」
 カフェイン 「聞いたことがあります」

 思い出すようにカフェインが喋る。
 カフェイン 「……世界の危機が訪れたとき、夢を希望に変え夜明けをもたらすとされる伝説の戦士」
 ネブソクーン 「何者だろうと我の邪魔をするものは許さん!一刻も早くそのプリキュアを倒し、星空の秘宝を持ってまいれ!!」
 今までカラカラ回っていたルーレットが止まる。
 カフェイン 「……おや?」
 ルーレット板をみたカフェインの眉が少し動く。
 出た目は……『ダハー』。
 ダハー 「……」
 ダハー、驚きで口をパクパクさせながら固まる。
 ネブソクーン 「ダハーよ!次は失敗は許されんぞ!!」
 ダハー 「……は、ははぁ!」
 深くお辞儀をするダハー。
 画面、お辞儀をしているダハーの顔を下から映す。
 ダハーの表情、泣きそうな顔。

 

WakeUp!プリキュア3shine!-02 05



・場面 《サンタマリア学園 武道館裏》
 時間、昼休み。
 画面、武道館の裏に設けられたテーブルとベンチでお弁当を食べている輝とあかり。
 輝 「見て見て!あかりちゃん!今日のお弁当は新作が入ってるんだよ!」
 満面の笑みでお弁当を見せる輝。
 あかり 「へぇ……このうなぎ?」
 輝 「そう!ウナギと焼き豆腐を煮汁で煮込んだんだ!食べてみて」
 あかり 「じゃあ、遠慮なく」
 両手を合わせて顔まで持って行く。
 そしてウナギと豆腐をひと口。
 あかり 「うん。美味しい!」
 輝 「よかったぁ」
 2人、嬉しそうに微笑み合う。
 レム 「輝……輝ぅ!」
 小声で輝を呼ぶレムの声が足元から聞こえてくる。
 輝、気が付いてテーブルの下に目をやる。
 レム 「お弁当の話もいいけど、肝心な話はまだレム?」
 右手を振って促すレム。
 輝、思い出したようにハッという表情になる。
 輝 「そうだ!忘れてた」
 ガバッと身体を起こす輝。
 画面、不安そうな顔のレム。
 レム 「忘れてたレム……?」
 画面、お弁当を美味しそうに食べているあかり。
 輝 「あかりちゃん!」
 あかり、呼びかけに反応するように顔を上げる。
 輝、顔を近づけて力強く迫る。
 

WakeUp!プリキュア3shine!-0206


輝 「私と一緒にプリキュアやって!!」
 あかり 「は?……プ、プリ?」
 画面、驚いた表情のあかり。
 輝 「そう!プリキュア!!それでみんなの夢を守っていくの!」
 
あかり 「なに?ゲームかなにか?」
 ははは、と硬い笑いをするあかり。
 そんなあかりに詰め寄って説明をする輝。
 
輝 「ちがうの!……これ!これみて」
 ポケットからメロディバンクを取り出して、あかりに突きつける輝。
 
あかり 「おぉ、どうしたの?これ。見たこと無い音楽プレイヤーね。買ってもらったの?」
 
輝 「ちがうの~~!」
 ブンブンッと首を振る輝。
 
輝 「じゃあ、コレならどう?!」
 テーブルの下へ身体を潜らせ、すぐに立ち上がる。
 手に持ったレムをテーブルの上へ置く。
 
輝 「……どう?」
 
あかり 「いや、どうって言われても……」
 一度レムを見た後、輝に視線を戻すあかり。
 
あかり 「……なにが?」
 輝 「……」
 どうしようもできない、といった感じの表情で落ち込む輝。
 輝 「レムぅ……おねがい、説明してあげて」
 人形のフリをしているレムに輝が頼む。
 
あかり 「輝……人形に話してどうし……」
 
レム 「しょうがないレムね~」
 あかり 「……を!!」
 喋り始めたレムに驚くあかり。
 
レム 「輝は説明する気あるレム?あれじゃ何も分からないレムよ」
 輝 「うぅ……すんません」
 小動物に怒られて小さくなっている輝に、あかりが震えた声で訊く。
 
あかり 「輝……なに、その人形……しゃ、喋ってる」
 
レム 「人形じゃないレム!僕は朝焼けの国の住人、レムだレム!」
 ビシッと指(腕)を指されて怒られるあかり。
 
レム 「輝の代わりに、僕から説明するレム」
 
あかり 「……ははは」
 あかり、どうしようもできずに苦笑するしかなかった。

 

  CM


WakeUp!プリキュア3shine!-アイキャッチ01


   ~~後半へ続く~~



作者コメント 「和真」-------------------------


二話前半です。お待たせしました(^-^)/

なんとか予定日に更新することができました(;^_^A

ストーリー制作の黒羽 烏が頑張ってくれたおかげです(笑


シナリオは出来たんですが、まだ挿絵が不十分なので

これからまた追加していきたいと思いますm(_ _ )m


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作者コメント 「黒羽 烏」-------------------------


どうも、みなさんこんにちわ。ストーリー担当の烏です。

第2話前半、いかがでしょうか?

……ま、間に合ってよかったぁ(^-^;)

ぶっちゃけ、結構ギリギリでした(;^_^A

しかも、ブログへの投稿は相方の和真がやってくれて……

本当に助かりましたヾ(@°▽°@)ノ


……というか、本編に手一杯で、コメントに返信できないって

本当に申し訳ないです。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

僕もいろんな人とプリキュアの話がしたいのに!!

ハートキャッチの感想も書きたいのに!!(TωT)


……今度、和真に適当な絵を描いてもらって、それを乗っけて

ブログ書こうっと( ̄▽+ ̄*)

僕もいろんな記事書きたいし(笑


さて、第2話後半ですが、2/28を目処に更新する予定です

シナリオが僕1人なので、1ヵ月に1話ペースになってます(汗


どうか3Shineを見捨てず、気長に待っていてくださると嬉しい

ですヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ

では、また会う日まで(θωθ)/~

                            烏でした

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設定は随時更新していく予定です。

ストーリーを進めていく上で必要とあらば

設定を多少変える場合もありますのでご了承ください。