人生の1/3を占めるであろう一大事が「仕事」である。
子供のころから、「サッカー選手やパイロット、医者になりたい!」と夢を抱いたり、両親から「大学はでてとりあえずどっかの正社員になってくれ」などと言われた方も多いだろう。
では、夢が実現してそれを仕事にできた人と、できなかった人のどちらが幸せでどちらが不幸なのか?
結論は「どちらもそれで幸せ」なのである。
夢を仕事にできた人はそうでない人からみれば羨ましがられる。
「いいねえ、好きなことでお金をもらえて・・・」。
しかし、当人にとってみたら意外にそうでもないことが多い。
夢といっても本当に自分の好きなようにやってもお客さんが来ないことのほうが多い。
大抵は、世の中の大まかな好みとか関心に左右された品揃えやサービスを提供せざるを得ない。
また、商売のためには利益を出さねばならず、サービスの質を落としたり、値段を低く設定したりせざるを得ないジレンマに悩まされる。
夢を仕事にできなかった人達は、多くの場合、「こんな好きでもないことを毎日いやいややらされて・・・」というジレンマに悩まされる。
これがすべて不幸かといえばそうではない。
休日には仕事を忘れて思いっきり自分の好きなことができる快感がある。
もともと仕事に思い入れも少ないので割り切って処理できる。
そんな利点もあるのである。
だから、どちらの人も幸せなのであって、差はないのである。
だからといって、夢に向かって努力することを否定するつもりもない。
夢に向かって努力するのは楽しい。
親から見ても、子供にそう教えるほうが楽である。
親と子供両方にとってメリットがあるから、「夢に向かって努力しなさい」という会話はこれからも未来永劫続くだろう。
ただし、夢が実現するかは、「精妙な人生のプログラミング」がどうなっているかによる。
つまりもって生まれた才能や運の部分がないと「夢」というものは実現しないのである。