1/28.日「桂春蝶特別公演〜落語と文学の会〜朝も早よから二日連続です」午前10時・天満天神繁昌亭/桂春蝶「浜野矩随」×桂紗綾「地獄変(芥川龍之介原作)」、ほか落語一席ずつ



「ご挨拶」二人
「饅頭怖い」紗綾
「権助提灯」春蝶
~仲入~
「朗読・地獄変」紗綾
「浜野 矩随」春蝶

今回は2日間ともチケット完売の大盛況!同行援護で来られた方も多数おられたとか。この会を通じての、障がい者の方々に落語を楽しんで貰いたい、と言う取り組みも定着して来ました。実に素晴らしい事です。


先ずはご挨拶から、春蝶さんの忘れ物ネタや夢グループのCMパロディまで飛び出していきなり爆笑。
艶やかな色合いの着物姿の紗綾さんの落語は春蝶さんの脚本をネタおろし。表現力に益々磨きが掛かって実に楽しい一席。
春蝶さんは、関東のバカと関西のアホの違いのレクチャーから「この噺に出てくるのはアホばっかりなんです」と、女将さんとお妾さんに振り回される旦那の、三者三様のドタバタを。まさに春蝶テイスト炸裂のスラップスティックな一席でお仲入。

朗読の紗綾さんは、黒地の着物に着替えて、芥川龍之介のよく知られたオドロオドロしい物語。
その語りは、それぞれの登場人物の心の内にある地獄がありありと目に浮かぶ迫力。良く知っているはずの話でも、その表現力の凄さに寒気がするほど圧倒されました。さすが話のプロ。

いよいよトリの春蝶さん。何回か聴いた長編ですが、聴く度に胸を打つ圧倒的な話術。
絶望的なサゲになるかと思いきや、大逆転のハッピーエンドで胸を撫で下ろす展開。こちらも情景がありありと浮かび、知ってる噺なのに何度も感動を味わえる、正にライブのすばらしさ。
そして朗読の絶望的な恐ろしさ、凄まじい人間の業と、落語の生きていて良かった、人間は素晴らしい、と言うこのコントラストの妙。
計算しつくされた会の最後は、お二人への拍手がなり止まず。
良かった!ほんまに良かった!
ありがとうございました。