高校時代の、陳腐な言い方をすれば『親友』と言って
差し支えない友達と久しぶりに飲んだ。

お互いあまり金がないので、結局、酒や惣菜を買い
込んで僕の部屋で飲んだ。

彼は高校時代、1年だけ同じクラスになったが、
基本的には部活の友達、すなわち僕達が3年間入って
いた映画製作部の仲間であった。

解りやすく言うと、映画『桐島部活やめるって』通りの
高校時代だったと言ってもちょっと位いしか過言では
ないW。

そんな彼が、給料が低く理不尽な現在の職や、奥さんの
事をボヤく。
そんな間にもその奥さんから『今どこにいるの?
何時に帰って来るの?』のラインがしつこく来る。

で、結局話が弾み終電を逃し、僕の部屋で始発待ちを
するとなると、更に奥さんからはラインの嵐!!
それをなかば無視して昔話に咲いた。

彼が高校時代に撮った映画はとにかく圧倒的だった。
なにしろ他の学校の映画部から『是非我が校で上映会を
したいのでフィルムを貸して下さい』と頼まれた程で、
80年代の10代が製作した映像と言う意味では相当な
完成度だった。

ただ『映像が上手い』と言う感覚は多くの人はあまり
実感しにくいと思う。
足が速いとか絵が上手いとか歌が上手い同級生は誰しも
パッと思い浮かぶだろう。
しかし映像制作が上手い同級生ってなかなか印象にない。
何故なら映像制作の才覚は、なかなか表に出にくいからだ。

だが作られたそれを観ると明確で、そして間違いなく
彼にはその才能があった!!
画角やテンポや音楽の乗せ方等、挙げて行けばキリが
ないが、アマチュアが作る映像を沢山観ていると、大半は
結構苦痛だ。
現に結婚式等で新郎もしくは新婦の、シロウトの友達の
作った夫婦のPRビデオを観て、映像的に面白いモノ・退屈
させないモノってあっただろうか?僕は無い。

映像作りも他のジャンルと同じで、その中で群を抜く者、
埋没する者の違いは明白なのだ。

ちなみにこのブログへの登場頻度の高い、AV監督を経て
映像制作会社代表になった同期や、以前は「家政婦のミタ」
現在は「偽装の夫婦」と言うドラマで監督をやっている
後輩も、僕らと同じ高校でそっちの世界のプロになったが、1
0代の頃の彼は、この2人に勝るとも劣らぬ力量だった。

そんな彼は芸術系の大学を出、その後CM制作会社に入った。
プロデューサーとかディレクターみたいな、よく聞くが
実際に何やってる人か解らん【動詞+er】的な肩書きだった
気がする。
しかし今ではそれを辞め、上記給料が低く理不尽な営業職に
就いている。CMを続けていれば良かったのに…
センスが良く、他の人が見落としているところを上手く
すくい取る観察眼にも優れていたのに。

彼などを見ててもそう思うから、僕も完全にマンガから
手を切りたいとは思えないのである…


ところでこの彼は、なんと国際結婚をしていて、南米人の
奥さんがいる!!
最初そんな話を聞いていたからスティーブンタイラーを
女にしたような、結構きつめな強そうな女性を想像した。
タイラー

ところが会ってみると12~3歳下のかなりかわいい人
だった!!
目はパッチリくっきりしていたが、想像する南米ぽさは
まるでない。
聞けばそのはずで、国籍は南米人だが、生物的には日系人
それも沖縄由来らしく、納得の顔立ちだった。
だが言葉はポルトガル語がメインで、英語と日本語が少々と
言う感じらしく、名前に半濁音(パピプペポ)が入るので、
少し不思議な感じだ。

また2歳の娘は奥さん似で『子供だから可愛い』ではなく、
『間違いなくイイ女になる』可愛さ…!!!

それでも思い悩むところがあるんだから、結局人生、
ひいては男の幸せってどこにあるのかが解らない…
(まぁ女の幸せもそうかも知れんが)
まぁどうあれ、美人の奥さんがいるのは羨ましいかな~