■13
前回の話
http://ameblo.jp/precoed/entry-10033616250.html


第一話
http://ameblo.jp/precoed/entry-10027044498.html






S子から○君(僕のあだ名)の事、よく聞いてるよ♪」
マミマミ仮名)はそう微笑んで言った。


S子から紹介されたマミマミはスラッとした細身の体型で、
背もそこそこあるキレイ系の子だった。
■6 で紹介した僕の過去のマンガ作品「ストラップマン」
のヒロインが『マミマミ』と言う名前だったので、実際の
モデルだったこのカノジョを『マミマミ』と仮に呼ぶ}

ストラップマン



S子は僕の事をよく話題にしていたらしく、ありがたい
事にマミマミは僕に興味を持ってくれていたみたい
だった。

なのでS子から電話があった時も、

S子「○君にねぇ~興味がありそうな女の子がいる
  わよ♪」

「マジでっ!!?かわいいの??」

S子「紹介するよ♪電話番号が0××-××××-××××だから。
  電話してみなよ、マミ子にヨロシクね~!!
  じゃぁね~♪」

「お、おいっ!!?」


紹介と言うから、S子を含む3人で飲みに行くとでも
思ったが、いきなり電話番号を言ってきて『後は自分で
やれ』
とは如何にも彼女らしい…

で、僕はS子から聞いた番号にかけるとどうやらそーゆー
手はずになっていたらしく、向こうもすぐに解った
ようで、即会う事が決まった。


マミマミは初対面にも関わらず僕の情報を事前に知って
いたためか会話はスムーズに運び、僕は彼女と付き合う
事をその日に即決した。
彼女もまたそれに快諾した。

かくして僕は最悪の選択をする事なく(SEX方面に
限った言い方をすれば)無事に下半身の氷河期を越える
事が出来たのだった。


そしてマミマミとも一緒に暮らし、途中別居したり
しながらも3年程度付き合った。
その間僕は、マンガ『ストラップマン』でも描いている
ように、キャバクラで働くマミマミからこづかいを
もらって生活
するようになった。
(その事はまた別の機会に。)


M美はそれからも時々僕に連絡をしてきた。
具体的に会うと言う話はなく「またいずれ遊ぼうよ」
程度の内容だ。
しかし僕は新たな恋と性の対象を得た事によって、
またM美を邪魔に感じるようになった…



■■■■■■そしておよそ三年が経つ■■■■■■


僕は仕事もしないでマミマミに食べさせてもらう、
まるでヒモのような生活を送った。
そして好かれて始まった恋も、最終的には拒絶される
形で終わりを迎えた。

その間に生じたその他の変化と言えば、あれだけ
頻繁に遊んだS子ともいつしか疎遠になっていて、
最低1ヶ月に一回程度は取っていた連絡が、次第に
3ヶ月に一度になり半年に一度になり…と言った
感じでその頻度は下がり、フェードアウトしていった。

そこにはS子の友達でもあるマミマミにしてしまった
事に対する後ろめたさもあり、『きっとS子も僕を
恨んでいるに違いない…』と思えてならなかった事も
関係した。
もちろん実際はS子本人に聞いてないから解らないの
だが…


ところがM美とは依然として電話だけの交流があった。

マミマミと別れた直後、僕はM美に電話をした。
別れた事を告げるとM美も軽く驚いている。


そして僕はまた3年前の、【A子と別れた後~
マミマミと付き合う前】と同じ事をしているのだ。
しかしM美とは3年ちょっとの付き合いで、よく
電話で話す仲なのだが、結局会ったのは最初に
A子を交えた時と、例のライブに行った時の2回
だけ。


ただフリーになると僕は、M美に電話する明確な目的、
すなわち一発ヤりてぇ!!』が生じる。
僕はそれとなく「たまには遊ぼうよ♪」みたいな事を
言ったと思う。

だがM美は「ちょっと今月は忙しくて…」
との理由で、僕の誘いを断った。

M美拒否




情けなくも僕はその翌月またM美に電話している。
しかしM美の返答はやはり言葉を変えてほぼ同じ内容
だった…

何回かこんなやりとりを繰り返すと、さすがに僕も
何となく拒まれているように感じた。
彼女と別れた途端に、電話が『会う事をほのめかす』
内容に変わるのはあまりに不自然だったのだろうか…



その翌月もまた、僕は一発ヤリたくなった。
M美に電話をしよう…

受話器を持ちながらも自分でもよく解っていた。
『人間失格』だと言う事、そして『オッサン合格』だと
言う事が…

しかし冷静に考えて今までの流れを見ると、M美は僕の
事が好きなのだろうか?

いやむしろ『女がいる状態の僕』にのみ好感を持って
いるのではないだろうかっっ!!?


間違いない!!
…いや、そう見積もった方が納得が行った。
面識のあるA子の時は特にだが、マミマミにしても二人に
共通している事は、自分よりも若くて可愛らしい
魅力的な女
だ…!!

僕が自分より良い女の『所有物』であってこそ、
M美にとって僕は魅力的なのではないだろうか…………??


そう考えると勃ってしまいそうなチンポは活力を
失った、…と同時に僕のオツムは冷静さを取り戻し
再び受話器を置いた。


結局僕からの最後の電話はかけられる事はなく、
またその後M美からの電話が鳴る事もなかった。
僕とM美の全てのエピソードはここで終わった。

もちろん現在どうしているのかは解らない……





僕はM美やA子やS子やマミマミの電話番号が書かれて
いる、二度とかける事のない電話番号・現在使えるか
どうかすら怪しい番号ばかりが書かれている、意味の
ない手帳を閉じた。



そしてそれを再び引き出しの奥にしまった。


終わり