スコ猫くまきち日和+ -2233ページ目

誰も知らないを観てきた!

多方面から推薦していただいた是枝監督の『誰も知らない』。
渋谷シネ・アミューズで観てきました。
是枝監督らしい淡々として展開、スタイリッシュな映像、しみじみ染み渡るせつなさ……。そのあたりは予想どおりでした。
ジェット機の騒音があんなに哀しく聴こえるなんて……。
そこはスゴイと思いました。
是枝監督ならではです。
で、やっぱり子供たちがかわいかった。
健気だったし、子供の撮り方が優しくて自然で。
なかでも、カンヌ最優秀男優賞の柳楽優弥くんは光ってましたね。

ただね。
物足りなかったというのが正直な感想でした。
かわいそーで終わってしまう。
もし、柳楽くんがカンヌで評価されなかったら、
果たしてこんなロングランになったでしょうか?
ラストは、最初から予想できちゃうことで。
健気に頑張るアキラがしだいに限界に近づいていくその変化は見事に表現されていました。でも、彼ひとりが頑張って、周りにいる大人こちがあまりにも距離をおきすぎて、悲劇が起きる。現代そのものを表現した、とはいえるでしょう。
でも、他人に無関心、あくまで踏み込まないということはそれほど目新しく斬新な現代描写ではなく、すでに認識されていることですし。
ベースにあった事件をもう一歩、突っ込んで、考え抜いて感じぬいて、違う形に昇華して表現してほしかった……かな。
無責任な母親を非難するだけで終わっていい映画ではないし。

深読みすれば、現代的な優しさは罪 とも思ったのですが。
みんな優しい。優しすぎる。だから、そっとしておいてあげようと思う。
でも、そのことが実は罪なんじゃないか?
多くの人がそう受けとれるためのもうひと工夫がほしかったかな……と。

事件をベースとしたものでは、やっぱりわたしは『is A』のほうが好きでした。
最近、私自身がエンターテインメント路線を目指しているところがあるせいかも、だけど。
以前は淡々とした描写のほうがカッコいいと思ってましたが。
それに拘泥することは、どこか努力を放棄してるっていうか。
楽してるって気がしてきてきるせいかもしれません。
やっぱり面白くないと。見終わったあと、カタルシスがないと。
そこまで観客の気持ちをもっていく努力って、大事だと思うんですよね。
安易に走れば非常にダサいものになるわけですが。

is A はけっして気持ちのいいカタルシスじゃないですけどね。
残るのは絶望かもしれないけれど。
信じられない、受け入れたくない展開かもしれません。
でも、わたしは絶望だけに終わらない、そのなかに、まだ何かを感じるんです。
そうなんだよねー、人間って。こうなんだよねー、父と息子って、というような。
わたしにとっては、とてもリアリティあふれる作品でした。

is Aについては見終わった直後の興奮状態の感想を別ブログで書いたので、
よかったら読んでくださいね。
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