独眼猫グレチとの夏
おはよーさん
夏休みの帰省中
独眼猫グレチは、毎日毎日やってきた。
この家で唯一の真のオトコ猫として、ボクは監視を続けた。
毎日毎日、朝、昼、晩、見回ることがボクの田舎での仕事になった。
グレチはそんなボクのことなど気にも止まらないようすで
自由きままにふるまった。
グレチ、そんなところで水、飲むなよっ
そこには金魚もいるんだぞっ
そう注意しても
網戸越しのボクの声なんか届かないんだろうか?
グレチは喧嘩が強そうだとか、ボクよりきっと強いだろうとかコメントがあったけど
それは独眼になったからで、そんな怖そうな見かけによらず、気のいい猫だとボクは思う
網戸ごしに、ボクたちは何度も急接近した。
急にグレチが近づいてきたから
ビックリして、飛び上がっちゃったときもあったけど……
ボクが気を取り直して、そろりそろりと近付いていくと
網戸越しだけどね
グレチは急に立ち上がって、ボクから離れて行った。
そして、また、水を飲む……
その後、僕がどんなに大声で呼んでも、グレチはただ去っていく。
そして朝になるとまた、やってくる。
そんなことが1週間続くうち……
なんとなくボクは
グレチを兄貴と呼びたくなっていた。




