毎日、婆の傍を、一時たりとも離れられない生活をしていると


PCに向かい、皆さまのブログを拝見したり、

認知症関連のサイトを覗いたりすることが多くなります。

認知症対応の仕方については、

書籍、サイトの記事とも、似通った内容で有り、理論的には間違っていないのでしょうが、

要介護者の立場に立ったものばかりで、介護者の人権、感情を考えられた内容は少ないように思います


認知症介護家族の方は、様々な環境、条件の中で介護されていて、

又、介護の方法、思いも様々だと思います。

多くの方が、悩みを抱えながら介護されて居られると思います。


一在宅介護者として、対応についての思いを綴ります。


Ⅰ 言動の間違いや、失敗行動に対し、怒らない

 ・認知症介護にあたって、最初に直面するのが、

  この問題ではないでしょうか?

 ①認知症を疑った頃から

  「何言ってるの」

  「何やってるの」など

  この頃はまだ、正常な部分も多くあり、認知症の方も、

  多少自覚があるけれど、家族から注意されると、

  非難、否定されたように思い

  「言っていない」「やっていない」といって、

  その場を逃れ、言い繕おうとする。

  その場で、理解できたとしても、忘れてしまい、同じことを繰り返す。

 ②認知症と成り初期のころは、

  「何で、これくらいの事、解らないの」

  「何で、これくらいの事、出来ないの」

  この間、何とか理解してほしい、そんな思いで説得を繰り返す。

  何度も、何度も説得を繰り返したいる内に

  イライラが募り、段々声高に成り、少しの事でも、イライラし

  怒りが高まって、ついいには爆発してしまう。

  このころに成ると、認知症の方は、自分が言ったこと、

  行ったことが正しいと思い

  自分の行動を、正当化しようとして、作り話、

  他人のせいにしようとすることが多くなる。

 ③認知症が進行するにつけ

  「何やってるの」、「そんなことしてはいかん」「早くせんか」など

  命令口調が多くなり、いけないと思いながらも、

  少しの事でも苛々して、怒りが抑えられなくなり、

  手が出るようになる。

  この頃には、 認知症の方は、

  自分の行動を正当化しようとする言動が激しくなり、

  問題行動も多くなり、妄想も激しくなり、

  どんな説得にも応じなくなる。

  周囲の方にも迷惑をかけるようになる。

 ④さらに認知症が進行すると、

  このころに成ると、もう何を言ってもどうにもならん、

  怒ってもどうにもならんと思い、

  諦めの気持ちと同時に、やるっきゃないと思う様に成る。

 

多くの方が、似たような経過を辿っているのではないでしょうか?

そしてこの間、少しでもいい状態を保ちたいと、悪戦苦闘し、苦悩して、介護されているのだと思います。


怒ってはいけないこと、皆さん解っていらっしゃると思います。

介護者だって感情があります。

怒りの感情だけを抑える、そんなこと出来ないと思います

人は、ロボットではありません、

解っていても、反射的に否定したり、怒ったり・・・・・

解っていても、気持ちが抑えられなくなってしまって・・・・・

怒ることの裏側には、悲しみ、辛さ、切なさそんな感情があるのではないでしょうか

愛情の深い関係程、怒ってしまう。

御夫婦とか、実の親子などは、

要介護者、介護者双方に遠慮のない分、本音で出て

喧嘩腰に成り、怒ってしまう。

血の繋がりの無い家族の場合は、双方に多少遠慮があり、

少し距離を置くことが出来、怒りを抑えることが出来る。

そんな気がします。


では、どうしたらよいの?

どうしたら怒らないでいられるの?

介護している方は、抽象的な言葉ではなく、

具体的にどうしたらいいの?と御思いではないでしょうか


私は、比較的早期にこの問題を克服することが出来ました。

私の場合は、

退職して、介護に専念できる環境が幸いしたことも有りますが、
それは

1 恥も外聞も捨てること

 これは、勇気のいることですが、

 自分が馬鹿になれば済むことですし、

 最悪な状況になった時の事を考え、無視することにしました。

2 他人様の、非難、中傷、冷笑を甘んじて受けること。

3 他人様に多大な迷惑をかける前に、閉じ込めること。

4 ①見ざる ②言わざる ③聞かざるに成ること

  常識外の行動でも、他人様に迷惑にならない限り、

  極力見て見ぬ振りをする 。  

  婆の行動の中で、自分にとってストレスに成るような行動は、

  取り上げる。

  「はいはい、ありがと、ありがと、俺がやってやる」

  反射的に、「何やってるの」と怒っても、

  必ず、「はいはい、ありがと、ありがと、俺がやってやるからいいよ」

  とフォローする。

 ②言わざる ③聞かざる

  無視しないこと、否定しないこと。

   「そうか、そうか」「そうや、そうや」など適当な相槌を打ち、

   返事をすること。

  婆の言うことを、まともに聞かないこと、信用しないこと。


 以上の様な心がけで過ごしてきました。

 

それでも、怒ったこと、婆の行為を力づくで阻止したこともあります。

他人様の迷惑になるような行為をして、止められない

これが一番しんどい、事前に他に気を逸らせることが出来ればよいのですが、

一寸眼を離したすきにそんな行為をしていて、優しく言っても、他に気をそらせるよう誘導しても、

どんなにも聞きいれようとしないこともありました。

怒って、力づくで阻止しようとしたこともありました。

それを見ていた、周囲の方は冷ややかな目で見ていて、笑っている方もありました。

そんな時、一人の方が助け舟を出して下さいました。

本当に嬉しく、どれだけ感謝しても足りない思いでした。

その後、一瞬たりとも目を離さないようにしました。

幸い私の場合は、何時も家にいることが出来、閉じ込めるような事態には成りませんでした。


様々な事情により、常に一緒にいることのできない方の苦悩は、察して余りあるものがあると思います。


まだまだ先の見えない介護生活が続きます。

今一度、今までの介護生活を振り返り、

又、これからの介護生活の覚悟を見直すため

ブログにアップしました。


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