例えば、マスク欲しさに開店前のお店に入り込むような、自分勝手な行動を取るお客を前にした時のドラックストアの店員さんのように。

精一杯の対応をしているにも関わら「いつになったらマスクが手に入るんだ!」と一方的に怒鳴られる時の心情のように。



人々が移動する事で、感染拡大するのを防ぐために全国に非常事態宣言を出し、政府が国民に対し外出自粛を求めている最中に、網の目をかいくぐるように県境を越境してまで、ゴルフやパチンコに興じるために移動する人々を見たときのように。


具体的に挙げたらキリがないけれど…。



目の前の事に一生懸命、誠心尽くして事に当たっているその時に、労力が水の泡になる事に怒りを覚える相手。
それは、コロナでも何でなく、やはり身勝手な人間。



今まで脈々と続いてきた仕事や慣習や、常識や当たり前がことごとく崩れ、全く前例のない世界で、舵を切って新しい方針を、スピーディーに打ち出していくことを要求される政治家や、自営業者や、 社会のリーダー達。





私達が戦っているものは、
自分勝手な精神や、
今まで頼りとしていた「当たり前の世界」の中に潜んでいた「安心」を失ったことによる、物理的な混乱。そしてそれによってもたらされる「不安」だ。



結局、「コロナ」というものは、きっかけでしかなくて。
何かの、トリガーのようなもので。




失ってみて初めて分かる有り難さもあれば、失ってみて初めて、

『それは本当に我々にとって重要だったのか?』

と、問い正されるケースもあると思う。





こうして並べてみると、
私達が戦っているのは、結局のところ、どれも「人が作ったもの(もしくは人に由来するもの」だと思えてくる。


未知のウイルスが蔓延し、自分も侵されるかもしれないという『恐れ』と、
私達が作り上げた社会の中で、
私達が信頼して、安心であると信じてきた社会が成り立たないという『混乱』と、我々は今戦っているのだな…、とつくづく思う。




自然界だけが、
人間の活動停止によって息を吹き返している。




世の中の「不幸」と呼ぶその存在も、
実は人が作り上げたものなのかもしれない。