◆犬小屋と呼ばないで!・ペット連れ被災者専用スペース

小学5年の米山紗与ちゃんにとって ペットの「みかん」は 家族。
自分達が 物置に隔離されても 「みかん」と共に、支え合いながら過ごしています。
大切な家族(ペット)を優しい目で見つめる 沙与ちゃんは きっと素敵な大人になる事でしょう。
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東日本大震災で避難所生活を余儀なくされるペット連れの被災者らにとって、肩身の狭い日々が続いている。仙台市ではペット同伴を認めている避難所はわずかで、市担当者は「どの避難所にもペットを敬遠する人がいて積極的に受け入れるところはない」と説明する。物置で生活しているケースもあり、見かねたペットショップのオーナーが無償でペットの一時預かりを引き受けるケースもある。(宮本尚明、八木択真)
◆鳴き声や臭い
約300人の被災者らが避難生活を送る仙台市内の小学校。体育館脇の物置がペット連れ被災者の専 用スペースに割り当てられ、8匹の犬が飼い主家族17人と一緒に寝泊まりしている。
物置に入ると、小学5年の米山紗与さん(10)が愛犬のミニチュアダ
ックスフント「みかん」を大切そうに抱えていた。
避難した当初、物置が「犬小屋」と呼ばれていたという。傷ついた紗与さんは
「『ワンコルーム』と言ってもらうようにした」と話す。
飼い主家族らは、他の被災者がいる体育館に出入りする際も扉をすぐに閉め、鳴き声や臭いが漏れないように気を配っている。
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◆トラブルに
仙台市動物管理センターによると、仙台市内の避難所では、ペット同伴の可否は、避難所ごとに被災者らでつくる運営委員会が決めているが、同伴を認めているのは数カ所。ただ、こうした避難所は他のペット希望者が流入することを恐れ、市は公表していない。
同伴が可能な避難所でもペットが毛布に尿をかけるなどのトラブルも報告されている。同センターの相原健二所長(51)は「防災訓練でペットを同伴して避難するようアドバイスしてきたが、理想と現実はまったく違った。忸怩(じくじ)たる思い」と肩を落とす。
◆家族の一員
行き場のないペットを救う動きもある。仙台市青葉区で動物病院やドッグカフェなどを運営する「ドッグウッド」では避難生活で同伴が難しくなった犬や猫を無償で預かる活動を始めた。日中はペットを遊ばせる広場「ドッグラン」を活用し、夜間用にプレハブ小屋6棟も急遽(きゅうきょ)借り入れた。
東京電力福島第1原発近くの自宅を出て避難所に身を寄せる福島県浪江町の佐藤直子さん(32)は中型の雑種犬を預けに来た。「避難所はペット禁止。早く迎えに来たい」。施設では現在、犬と猫計約180匹が預けられている。施設オーナーの我妻真紀さん(39)は「避難所に連れて行けず、崩れた家で犬と過ごしていた人もいた」と話す。全国からカンパを受けながら、飼い主を亡くしたペットの救出や一時預かりのボランティア探しにも取り組む。
我妻さんは「飼い主にとってペットは家族。できる限りのことをしたい」と話した。
*産経新聞より
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