構造化の限界 と 可視化の将来 | Prebecte

構造化の限界 と 可視化の将来

こんにちは。プリベクト北山です。


『ビジュアル・コンプレキシティ』を読む──データ・ヴィジュアライゼーション講座


久々に、深く考えさせられる記事に出会った。
この記事を読み、感じたことを。
(但し、私の勝手な解釈を相当分入れているのでご了承ください)


様々な企業のコンサルティングを行っていると、
ものごとの『可視化』『構造化』を行う。

その際には、樹の枝はが別れていくようなツリー構造で表現することが多い。

品質管理でいうなら、FTAや特性要因図だし、
製品情報管理でいうなら、部品表(BOM)だし、
コンサルティング業でいうなら、ロジックツリーやディシジョンツリーである。

しかし、ツリー構造には限界がある。


そもそも、ツリー構造の前提は、『論理』『原理』『分解』『集約』である。
だから、ものごとが理路整然と整理され、体系化されていくのである。

しかし、今はそれらが当てはまるのだろうか?
ものごとの論理も原理も猛烈な勢いで変化をし、様々な形をとる。
だからこそ、企業もスピード経営を目指し、意思決定スピードを上げようとしている。


そこで、ツリー構造からネットワーク構造に切り替えるべきだという



ツリー構造   ・・・ 『論理』 『原理』 『分解』 『集約』



ネットワーク構造・・・ 『分散』 『可変』 『非線形』 『多様』



分散・可変 というキーワードが重要に思える。
ものごとは綺麗に分解できるわけでもなく、ルールも曖昧で、論理性にかける部分が多い。


では、ツリー構造から何の視点を加えていくべきか?

ものごとは、「事象(ノード・交点)」と「関係性(リンク・辺)」に分けることができる。


その場合に、ツリー構造の問題点としては、

事象(ノード・交点)には、位置情報が表現できない
関係性(リンク・辺) には、事象間の距離類似性関係性の強さが表現できない
全体として、時間変化も表現できない


製造業の部品表(BOM)にもそれが当てはまる。
部品表で管理されている部品情報には、図象の位置関係が表現できないし、部品間のつながりの強さが表現できない。また、類似性も見えないことにつながる。


コンサルティング業界では、『可視化』というキーワードはよく使う。
しかし、『可視化』の本質(あり方や問題点)を考えることは少ない。

そういった意味では、本質的なことを考えさせられる記事であった。



2012年6月6日
    一生懸命な日々を・・・
  



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