クルマも 『 iPhone化 』 する? 新たなオプション戦略とは?
こんばんは。
現在発売中のAutoCar Japan 2010年08月号 に興味深い記事が載っていました。
Audi の製品戦略についての記事です。
小さな記事でしたが、私は釘付けになってしまいました。
「車もダウンロードする時代」という事で、
Audi は今後、クルマをiPhone化していくのだそうです。
(少し私の勝手な意訳も入れて)簡単に紹介すると、
車両を購入した。
それから半年くらいたってから・・・
「最近寒くなったね。お金に余裕も出てきたから、"ヒートシータ" 機能を付け加えたいな・・・」
「よし、購入しよう!」
と、インパネのナビゲーションから、ピッピッピッ
「 "ヒートシータ" アプリを購入。そして、ダウンロード」
2分後。
なんと! ダウンロード終了と同時にヒートシータが使用可能!
ディーラーにオプション追加で修理にだす必要もなく、
面倒な手続きも不要。
こんな世界をAudi は目指しているみたいです
(少し私の妄想も加わっていますが・・・。詳しくは雑誌を読んでみてください)
すごいですね。
まさしく、クルマが iPhone になったようなもの。
先程のヒートシータを実現しようとすると、思い切った転換が必要となります。
購入時に、「ヒートシータ」が不要と言っているユーザに対しても、
ヒートシータ用の部品は搭載しておく必要があります。
ソフトはダウンロードできても、部品はダウンロード出来ませんから。
『要らない!』と言っている人に対して、不要な部品を搭載するという発想。
ただでさえ原価低減で苦しむ自動車業界なのに・・・という感じです。
ヒートシータだけでなく、先程の「購入後のソフト購入」=「オプション使用可能」を実現しようとすると、
全てのオプションを全車種に搭載しておく必要があります。
言い換えれば、
全車種全オプション搭載。購入していないオプションのソフトだけ引きぬく。
『オプションは足す』 という発想から、
『オプションを引く 』 という発想
これには驚きです!!!
ただ、これだけだと部品費・材料費が上がるだけでAudiとしても損するだけと思ってしまいますが、
Audiとしてもこれでも儲かるという判断をしているみたいです。
現在の生産方式としては、オーダー毎にどのオプションを搭載するなどの個別対応をしていますが、
今回の発想だと全車種全オプション搭載にすると個別対応が必要なくなり生産性が高まるとのことです。
生産ラインで、治具の切替や作業のバリエーションを減らすことで生産性を高めて、
不要オプション分の材料費/部品費をカバーしようという戦略なのでしょう。
この新オプション戦略というのは、生産性向上だけでなく
自動車の大きな収益構造の変化をもたらすと思っています。
多くの産業製品の収益構造は、製品本体から購入後の「保守・サービス」に移りつつあります。
多くの人に馴染みがあるのが、「プリンタ」だと思います。
プリンタは、製品本体は1万円を切っていても、交換のインクカートリッジが全色変えて2000円、3000円もしてしまいます。
極端な言い方をすれば、インク3回変えたら本体が買える。
プリンタメーカーは、製品本体での収益は諦めて、インクカートリッジで儲ける戦略を取ってるのです。
これは、購入者の心理をうまく利用しているとも言えます。
購入の際にかかるイニシャルコストはまとまったお金が必要なので極力抑えたい。
代わりに、ランニングコストは単価が小さくなるので比較的払っても良い。と思ってしまうのです。
このように、製品本体は赤字でも、保守・サービスで儲けるというビジネスモデルは、
様々な産業で浸透し常識化しています。
今回のAudiの戦略は、
これと同じように、「クルマも購入後の収益」に注目したビジネスモデルだと言えます。
車の場合は、購入後にあれやこれやとオプションをつける人は少なく、
メーカーとしては、 ”ディーラー車検" くらいしか購入後の収益源がありませんでした。
このAudiの戦略は、
もっと手軽に『オプションを買う』そんな風に仕向ける仕掛けであると思います。
今回の記事は、AutoCarの小さな記事で、どこまで実現するかよくわかりませんが、
この動きには注目して見ておきたいと思います。
自動車産業の収益構造の見直し。大きなテーマです。
2010年07月20日
想像力を持った一日を・・・
現在発売中のAutoCar Japan 2010年08月号 に興味深い記事が載っていました。
Audi の製品戦略についての記事です。
小さな記事でしたが、私は釘付けになってしまいました。
「車もダウンロードする時代」という事で、
Audi は今後、クルマをiPhone化していくのだそうです。
(少し私の勝手な意訳も入れて)簡単に紹介すると、
車両を購入した。
それから半年くらいたってから・・・
「最近寒くなったね。お金に余裕も出てきたから、"ヒートシータ" 機能を付け加えたいな・・・」
「よし、購入しよう!」
と、インパネのナビゲーションから、ピッピッピッ
「 "ヒートシータ" アプリを購入。そして、ダウンロード」
2分後。
なんと! ダウンロード終了と同時にヒートシータが使用可能!
ディーラーにオプション追加で修理にだす必要もなく、
面倒な手続きも不要。
こんな世界をAudi は目指しているみたいです
(少し私の妄想も加わっていますが・・・。詳しくは雑誌を読んでみてください)
すごいですね。
まさしく、クルマが iPhone になったようなもの。
先程のヒートシータを実現しようとすると、思い切った転換が必要となります。
購入時に、「ヒートシータ」が不要と言っているユーザに対しても、
ヒートシータ用の部品は搭載しておく必要があります。
ソフトはダウンロードできても、部品はダウンロード出来ませんから。
『要らない!』と言っている人に対して、不要な部品を搭載するという発想。
ただでさえ原価低減で苦しむ自動車業界なのに・・・という感じです。
ヒートシータだけでなく、先程の「購入後のソフト購入」=「オプション使用可能」を実現しようとすると、
全てのオプションを全車種に搭載しておく必要があります。
言い換えれば、
全車種全オプション搭載。購入していないオプションのソフトだけ引きぬく。
『オプションは足す』 という発想から、
『オプションを引く 』 という発想
これには驚きです!!!
ただ、これだけだと部品費・材料費が上がるだけでAudiとしても損するだけと思ってしまいますが、
Audiとしてもこれでも儲かるという判断をしているみたいです。
現在の生産方式としては、オーダー毎にどのオプションを搭載するなどの個別対応をしていますが、
今回の発想だと全車種全オプション搭載にすると個別対応が必要なくなり生産性が高まるとのことです。
生産ラインで、治具の切替や作業のバリエーションを減らすことで生産性を高めて、
不要オプション分の材料費/部品費をカバーしようという戦略なのでしょう。
この新オプション戦略というのは、生産性向上だけでなく
自動車の大きな収益構造の変化をもたらすと思っています。
多くの産業製品の収益構造は、製品本体から購入後の「保守・サービス」に移りつつあります。
多くの人に馴染みがあるのが、「プリンタ」だと思います。
プリンタは、製品本体は1万円を切っていても、交換のインクカートリッジが全色変えて2000円、3000円もしてしまいます。
極端な言い方をすれば、インク3回変えたら本体が買える。
プリンタメーカーは、製品本体での収益は諦めて、インクカートリッジで儲ける戦略を取ってるのです。
これは、購入者の心理をうまく利用しているとも言えます。
購入の際にかかるイニシャルコストはまとまったお金が必要なので極力抑えたい。
代わりに、ランニングコストは単価が小さくなるので比較的払っても良い。と思ってしまうのです。
このように、製品本体は赤字でも、保守・サービスで儲けるというビジネスモデルは、
様々な産業で浸透し常識化しています。
今回のAudiの戦略は、
これと同じように、「クルマも購入後の収益」に注目したビジネスモデルだと言えます。
車の場合は、購入後にあれやこれやとオプションをつける人は少なく、
メーカーとしては、 ”ディーラー車検" くらいしか購入後の収益源がありませんでした。
このAudiの戦略は、
もっと手軽に『オプションを買う』そんな風に仕向ける仕掛けであると思います。
今回の記事は、AutoCarの小さな記事で、どこまで実現するかよくわかりませんが、
この動きには注目して見ておきたいと思います。
自動車産業の収益構造の見直し。大きなテーマです。
2010年07月20日
想像力を持った一日を・・・