父のガンが発覚したのは七月。
うちは普通の、幸せな家族だった。
両親は仕事をリタイアしたあとリゾート地へ移住。
森の中の田舎での暮らしを存分に楽しんでいた二人。
私は長い休みに時々そこに訪れて趣味に勤しみ田舎暮らしを堪能している両親を少し羨ましく思っていた。
五月の連休に会った時は、少し老けたけど一緒に山に登るほど元気だったのに。
母からの急な連絡。
「父ちゃん、ガンだって」
頭が真っ白になった。
まさか、ガンになるなんて。
親はいつまでも元気なわけじゃない。
分かっていたけど、他人事だと思っていた。
だってガンなんて。
そんな兆候全然なかったのに・・・