03
また月曜か・・・
年が明けても、相変わらずつまらない世界で生きざるを得なかったあの頃
うんざりしていた
そんな月曜の朝
起きてすぐに違和感を感じた。
朝っぱらから家の電話が鳴っている
母がいつもと違っていた
状況はよくわからない
目覚めたばかりだからなのか。
暖かい布団から出て
身震いする体を石油ストーブの前で温めながら
何となく感じている違和感に気付かないふりをしていた。
ほどなくして、電話を切った母が近づいてきた
あたしは何も聞かない
母もすぐには言葉が出てこないようだった。
意を決したように震える声で母が口にした
『巧輔が死んだ』
・・・
はい?
母が何を言っているのか分からなかった。
目覚めたばかりの頭と体が
石油ストーブの前で少しずつ温まり
何を言われたのかは理解出来た。
言葉は理解出来たが、意味が理解出来ない。
『自殺したって』
・・・
今何と聞いたのか、寝起きだからなのか、
はたまたまだ夢でも見ているのか
現実?
何の冗談?
なんかあるの?
温まった体とは裏腹に頭の細胞が凍りついて行っている気がした
頭が真っ白ってこういうことだ
母の言葉が頭の中でエンドレスリピートされる中で
相変わらず意味がわからないまま
一言も言葉を発することなく
朝食を食べた
制服に着替え、支度をし、いつも通りの時間に家を出た。
いつもと変わらない通学路
他の学年の子達も、いつも通りふざけながら学校へ向かっている
母はあの時何と言ったのか?
凍りついた頭が意味を理解できないまま
ただただ足は学校へと向かっていた。
いつもと変わらない学校
いつもと変わらない下駄箱に靴を入れ
いつもと変わらない上履きを履いて
いつものつまらない教室に向かう
いつものように馬鹿騒ぎしているはずの教室に近づくと
この日は声が一つも聞こえて来なかった
中に入ると
クラスの数人が泣いている
何が起こっているの?
母が言った言葉が
ようやく理解出来たのはこの時だった。
年が明けても、相変わらずつまらない世界で生きざるを得なかったあの頃
うんざりしていた
そんな月曜の朝
起きてすぐに違和感を感じた。
朝っぱらから家の電話が鳴っている
母がいつもと違っていた
状況はよくわからない
目覚めたばかりだからなのか。
暖かい布団から出て
身震いする体を石油ストーブの前で温めながら
何となく感じている違和感に気付かないふりをしていた。
ほどなくして、電話を切った母が近づいてきた
あたしは何も聞かない
母もすぐには言葉が出てこないようだった。
意を決したように震える声で母が口にした
『巧輔が死んだ』
・・・
はい?
母が何を言っているのか分からなかった。
目覚めたばかりの頭と体が
石油ストーブの前で少しずつ温まり
何を言われたのかは理解出来た。
言葉は理解出来たが、意味が理解出来ない。
『自殺したって』
・・・
今何と聞いたのか、寝起きだからなのか、
はたまたまだ夢でも見ているのか
現実?
何の冗談?
なんかあるの?
温まった体とは裏腹に頭の細胞が凍りついて行っている気がした
頭が真っ白ってこういうことだ
母の言葉が頭の中でエンドレスリピートされる中で
相変わらず意味がわからないまま
一言も言葉を発することなく
朝食を食べた
制服に着替え、支度をし、いつも通りの時間に家を出た。
いつもと変わらない通学路
他の学年の子達も、いつも通りふざけながら学校へ向かっている
母はあの時何と言ったのか?
凍りついた頭が意味を理解できないまま
ただただ足は学校へと向かっていた。
いつもと変わらない学校
いつもと変わらない下駄箱に靴を入れ
いつもと変わらない上履きを履いて
いつものつまらない教室に向かう
いつものように馬鹿騒ぎしているはずの教室に近づくと
この日は声が一つも聞こえて来なかった
中に入ると
クラスの数人が泣いている
何が起こっているの?
母が言った言葉が
ようやく理解出来たのはこの時だった。
02
初めて好きだと思った。
キッカケなんて、今考えてみても馬鹿げている。
でもそれが充分な理由になってしまう。
そんなあの頃。
あたしはハブられていた。
女子特有のアレだ
誰が創り出したんだか、順番に回ってくる、謎のシステム。
もうめんどくせーよ
そう思って距離を置いたのに
たった30数人程度のクラスでは
縁を切るにも切れない狭い世界。
その頃の唯一の救いは
そんな世界にも
あんなつまらん奴らとは違う
誰からも愛されていた奴がいたこと。
学校のルールは守れないけど、人のルールは絶対守る奴。
干渉はしないけど、態度を変えない奴。
決してヒーローみたいな存在ではない。
ただ《 同じ》《 変わらない》という存在は
そういう境地に居ると救いになる。
そこまで考えて行動出来るほど
頭のいい奴では無かったのは確か。
優しいとか
そういう簡単な言葉とも少し違う感覚
本人はそういう事をなんも考えてなかったんだろうな、と今となっては思う。
それでも少なくともあの頃のあたしは
アイツの存在に救われていた。
巡り巡ってまたあたしの番。
よくもまぁ飽きもせず・・・
他に楽しみがないクソ田舎
ここを卒業するまで付いて回るのだろう。
寂しくはなかった
仲良くしてくれる子達は居た。
『またほっときゃそのうち収まる』
みんなそう思っていたから
特に擁護する訳でもなく
あたし自身も助けを求めた事はない。
今回は早かった
同じグループのうちの1人が何かやらかしたらしい。
気付いたら標的が変わっていた。
そんなつまらない世界の日常が
ある日突然一変してしまうなんて
あの頃誰1人として思っていなかった。
キッカケなんて、今考えてみても馬鹿げている。
でもそれが充分な理由になってしまう。
そんなあの頃。
あたしはハブられていた。
女子特有のアレだ
誰が創り出したんだか、順番に回ってくる、謎のシステム。
もうめんどくせーよ
そう思って距離を置いたのに
たった30数人程度のクラスでは
縁を切るにも切れない狭い世界。
その頃の唯一の救いは
そんな世界にも
あんなつまらん奴らとは違う
誰からも愛されていた奴がいたこと。
学校のルールは守れないけど、人のルールは絶対守る奴。
干渉はしないけど、態度を変えない奴。
決してヒーローみたいな存在ではない。
ただ《 同じ》《 変わらない》という存在は
そういう境地に居ると救いになる。
そこまで考えて行動出来るほど
頭のいい奴では無かったのは確か。
優しいとか
そういう簡単な言葉とも少し違う感覚
本人はそういう事をなんも考えてなかったんだろうな、と今となっては思う。
それでも少なくともあの頃のあたしは
アイツの存在に救われていた。
巡り巡ってまたあたしの番。
よくもまぁ飽きもせず・・・
他に楽しみがないクソ田舎
ここを卒業するまで付いて回るのだろう。
寂しくはなかった
仲良くしてくれる子達は居た。
『またほっときゃそのうち収まる』
みんなそう思っていたから
特に擁護する訳でもなく
あたし自身も助けを求めた事はない。
今回は早かった
同じグループのうちの1人が何かやらかしたらしい。
気付いたら標的が変わっていた。
そんなつまらない世界の日常が
ある日突然一変してしまうなんて
あの頃誰1人として思っていなかった。
01
あたしはこれから何処へ進むのか。
ふわふわ、ふらふら、流れていく水のように
気持ちの赴くままに
流れ、流されてゆくだけなのか
力いっぱい立ち止まって、目の前の現実と向き合ってゆくのか
そんなことが出来るのか
これは逃げなのか
自分の中の弱さと強さの中で
右へ左へ、行ったり来たり。
『普通に幸せになれればそれでいい』
普通の幸せって何だ?
それどころじゃない。
余裕なんか1ミリもないのに
わざわざ不良物件に足を突っ込んだ
その先には一体何が待っているのか
幸せ?
それともただの苦労か?
余裕なんて1ミリもない
未来は一体どこへ向かっていくのか
そんな未来の前の、
少し、もう少し前のお話。
ふわふわ、ふらふら、流れていく水のように
気持ちの赴くままに
流れ、流されてゆくだけなのか
力いっぱい立ち止まって、目の前の現実と向き合ってゆくのか
そんなことが出来るのか
これは逃げなのか
自分の中の弱さと強さの中で
右へ左へ、行ったり来たり。
『普通に幸せになれればそれでいい』
普通の幸せって何だ?
それどころじゃない。
余裕なんか1ミリもないのに
わざわざ不良物件に足を突っ込んだ
その先には一体何が待っているのか
幸せ?
それともただの苦労か?
余裕なんて1ミリもない
未来は一体どこへ向かっていくのか
そんな未来の前の、
少し、もう少し前のお話。