【お花が届けてくれた最期のメッセージ②】
通夜の日、ご家族がご自宅の庭からお持ちになった『松の枝』を式場に生けさせていただきました。
そして、その松の花言葉に、
「これは、お父様が最後にお子様やお孫様に伝えたかったメッセージかもしれない…」と思いました。
わたしは事前の打ち合わせで、ご家族にこんなお話をさせていただいています。
「当日は式場に、ご自宅の草花をぜひお持ちください。式場のお花たちと一緒にアレンジさせていただきたいので。
そのお花は、通夜の日にお庭を歩いて選んでくださいね。きっとお花たちが『わたしよ』って呼んでくれますから…。」と。
これは、本当に本当に不思議なのですが、ご家族がこのようにして選んでこられた木や草花には、故人様からのメッセージが隠されていることがあるのです。
この松の枝にも、何かメッセージが隠されているような気がして、すぐに花言葉を検索してみました…
松の花言葉は、
「向上心」
ご家族に、そうお伝えすると、ご家族はすぐにお分かりになったようでした。
お父様は、学校の先生でした。
お子様方にもお孫様方にも、前向きに生き、学ぶ事のできる平和の尊さについても常々お話をされていたそうです。
そして、病床においても好奇心は衰えることなく、ご家族にたびたび新しい本のリクエストをされ、自らの姿をもって学習し続けることの素晴らしさを示してくださったそうです。
たとえ姿は見えなくなっても、ココロは、いつまでもご家族とともにあるのだと思いました。
日々、お見送りのお手伝いをさせていただく中で、
人は旅立つ時、遺された人たちに"生きることを教えてくださる"のだということは、確信に変わりました。