開式前、その中のお一人が受付から式場を覗き、どなたが奥様でどなたがご子息なのかとわたしに尋ねられました。その様子からご遺族と何か話をされたいのではないかと感じたので、タイミングをみてご遺族と話ができる機会を作らせていただきたいと思っていました。
すると、ちょうどそこへお手洗いから戻られたご子息が通りかかりました。早速、先ほどの受付の方をご紹介すると、その方はポケットから数枚の写真を取り出し、ご子息に見せていらっしゃいました。それは数十年前の若かりし頃の故人さまが写った写真のようでした。
しかし、ご子息の写真に対するリアクションは意外とあっさりしていて話も続かずすぐに終わってしまいました。
その様子を見ていたわたしは、その写真を奥様がご覧になったら、どんなにか喜ばれるだろうと思いました。
そこで、わたしのお節介モード、発動〜っ😤(笑)
その受付の方に声をかけ、奥様にその写真を見せていただくことになりました。
その写真をご覧になった奥様は大変喜ばれ、しばらくその方と懐かしい思い出話をされていました。そして、最後に奥様は、そのうちの一枚をいただけないかしらとおっしゃり、大事そうにバッグの中にしまわれていました。
わたしは、葬式の日に懐かしい写真をお持ちになった方のお気持ちに思いを馳せていました。
その写真は、いつも目につくところに飾ってあったわけではないと思うのです。
故人さまが亡くなられたことを知り、思い出を辿り、懐かしい写真を探されたのではないかと思うのです。
そして、それを式場に持って行きご家族にお見せしたら喜んでいただけるのではないか、少しでも励ましになるのではないかと思われたのではないかと思うのです。。。
その懐かしい写真がその方のポケットの中にしまわれたままにならなくて本当に良かったと思いました。
式場の後ろに立っていると、時々見えてくる点と点があります。
その点と点をそっと線で結ぶお手伝いをさせていただくこともわたしたちスタッフにできることではないかと思っています。
今年も葬儀司会者講習の講師の仕事のご縁をいただきました。
その講習の中では、マイクを持っていない時にもわたしたちにできることがあることをお話させていただきたいと思っています😊