数あるレクイエムの中でも
このフォーレの作品は、特別な存在です。
「鎮魂歌」と訳されることの多いレクイエムは
たいてい、荘厳な、または暗いイメージの曲が多いです。
モーツアルトしかり、ヴェルディしかり。
ところが
フォーレの場合は、どこか軽やかで穏やかなのです。
やわらかな光が、ガラス越しに揺らいで
様々な角度から差し込んでくるのを
心静かに眺めているような・・・
とくに、教会での初演に忠実に
女声を採用せず、少年がソプラノを歌うバージョンだと、
その声の透明感が、
フォーレのレクイエムの曲調にぴったりです。
上のCDの解説によると、
フォーレは両親、とくに母の死の直後に
この曲を仕上げたそう。
そして、この「レクイエム」が
”異教徒的”または”死の恐怖がない”という批判をけて
わたしにとって、死は苦しみというよりも、
むしろ永遠の至福と喜びに満ちた解放感にほかならない。
と、フォーレは言ったとか・・・。
もしかしたら、インドなどの東洋思想の影響も受けていたのでしょうか?
と思わせるような・・・。
さて、今晩エスプラネード・コンサートホールで
この曲を歌います。
ソプラノは、女声ですが、
在星のかた、良かったらおいで下さいませ ♪