ヨガの“バイブル“ともいえる古典文献、
「ヨーガ・スートラ」の中で、
私の一番好きな句です。
「未来の苦は、避けることができる」 (YS 2:16)
私たちは何か行動を起こすとき、
いえ、それ以前に心の中で感情が芽生えるとき、
どれだけ意識して行っているのでしょうか?
多分、ほとんどの場合、
習慣や癖、自分なりのパターンが
出来上がっているような気がします。
それは、過去の経験によって
記憶が蓄積されているからです。
その過去の印象が、
なにか、人の言葉や行動に触れたときに
記憶を呼び覚まし
現在の自分の反応となって浮かび上がってきます。
たとえば、
小さい子供がはじめてバラを見たとしましょう。
一緒にいた大人が、バラを愛でる行動をとり、
「いい香りだね~、匂いをかいでごらん」 といえば
その子供にとって
バラは香り高い素敵なものとして、
記憶にインプットされます。
ところが、同じバラに出会い、
何もしらずに手を伸ばして
とげを指に刺してしまった子供は
バラって痛いものなんだ
と認識して、今後は用心するようになるでしょう。
冒頭の句は
ヨーガの実践で取り除くべきものは
未来の苦しみであるといっています。
過去はもう起こってしまったこと
現在はもう起こりつつあること
でも、未来は
いま・ここで
自分が意識的に選択することで
変えていくことができるのです。
さらにいえば、
過去の出来事は変えられないとしても
それに対する自分の反応や考え方をシフトすることはできます。
こうしてみると、
なんだか希望が湧いてきませんか?
わたしも今までの自分のパターンで
無自覚ににリアクションを取ってしまうことが
よくあります。
(たとえば、子供を怒っているときとか・・・!!!
↑
反省してます 汗)
でも、一度立ち止まって
できれば深呼吸をして落ち着いてから
意識して、自覚的に
次の行動や言葉を選び取ることができるようになりたい。
100%、できないかもしれないけど、
そう意識することで、
1%でも自分の行動を良いほうに
変えることができれば・・・
1%の違いでも、1年続ければ
変わっていけると思うのです。
そうやって、少しずつ幸せの種をまいていきたい。
ヨガがトランスフォーメーションを起こすといわれるのは、
ポーズによる身体の変化もありますが
心/マインドの変化、気持ちのシフト、
という面もそれ以上に、大切な点なんですね。
“まだ起こっていない苦しみは避けられる”
どうやって?
パターン化している自分の行動や思考、リアクションを
観察することが
はじめの一歩です。