経済評論家の勝間和代さんは、
近著のなかで
"知的体力"をつけるための実践方法として、
仏教の「三毒の追放」をあげています。
妬まない、怒らない、愚痴らない
の3点を実践することで、
ネガティブな考え方が、
頭と身体を痛めるのを防ぐというもの。
ふむふむ
確かに、こういったネガティブな感情は
相手にたいしても、
また、それ以上に
自分の精神衛生上、悪いことですよね。
仏教では
「貪・瞋・痴(トン・ジン・チ)」
それぞれ貪欲、瞋恚(しんに)、愚痴を
三毒とするそうです。
つまり
欲望
怒り
迷妄(愚かしさ)
のこと。
ここでの愚痴という言葉は
現代で使う意味とは少々違うのですね。
さて、修行をして悟りを開いたブッダは
ヨギだったとされていますので、
初期仏教とヨガのかかわりは深いです。
そこで、ヨガの古典文献である
「バガヴァッド・ギーター」 から、
三毒に関連する部分をご紹介しましょう。
人が感官の対象を思う時、
それらに対する執着が彼に生ずる。
執着から欲望が生じ、
欲望から怒りが生ずる。
(BG 2章62節)
怒りから迷妄が生じ、
迷妄から記憶の混乱が生ずる。
記憶の混乱から知性の喪失が生じ、
知性の喪失から人は破滅する。
(BG 2章63節)
欲望、怒り、貪欲。
これは自己を破滅させる
三種の地獄の門である。
それ故、この三つを捨てるべきである。
(BG 16章21節)
さらに、サンスクリット学者の上村勝彦さんが
名著 「バガヴァッド・ギーターの世界 」で
指摘している点が興味深いです。
それは、
同じ三毒でも、仏教とヨガでは
「貪欲」にあたる
原典のサンスクリット語が違うという指摘。
「バガヴァッド・ギーター」での原語は
「ローバ」で
「貪り」 「迷妄」 「愚かしさを伴う貪り」 を意味。
それに対して、仏教の「貪」の原語は
「ラーガ」で、
「貪欲」という意味と合わせて「欲望」の意味合いがあるそう。
さいごに、
三毒を追放することのメリットを
ヨガの立場から説明しましょう。
ネガティブな感情を廃することによって、
純質(サットヴァ)という良い性質が増大し、
その人は上方に向かうのです。
純質(サットヴァ)とは、
激質(ラジャス)
暗質(タマス)とともに、
世の中すべてのものに含まれる
三つの構成要素 グナ のひとつです。
これもヨガの基本概念なので
また、いつか別のエントリーで。
三毒追放が紹介されている著書は こちら
↓
「ビジネス頭を作る7つのフレームワーク」
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
このブログ内 リンク
↓