「自分のための場所」を作ろうという考え方を始めて耳にしたのは、サラ・バン・ブラナックの本が初めてだったと思います。日本でも10年ほど前に一部で静かな共感を呼んだ「シンプルな豊かさ」という本を聞いたことがありますか。
この本は1年365日ごとに一つのテーマで書かれており、ひと月の中でも緩やかなテーマに分かれているのですが、6月は住まいや庭が中心の話題です。自分の部屋が無理なら、部屋や廊下の片隅、本棚一つでもいいから、自分がひとりで心静かに過ごすことのできる場所を作ろうという話が、6月11日の項にでてきます。
私が自分のコーナーを作ったのはたぶん4年ほど前、TTの途中だったと思います。それまで家のあちこちにあったヨガ関係の書籍・雑誌、そしてヨガの練習に必要なマットや小道具を客間の片隅に集めて、私のヨガ・コーナーが誕生!
それまでは寝室でしていた朝の練習も、ヨガ・コーナーでするようになると、不思議と毎日朝起きて練習するのが苦でなくなりました。ヨガをするための専用のスペースを作ると自分の練習がひとつスッテップアップするという話は、それ以前にも人から聞いたことがあったのですが、実践してみて納得。
なぜだか分からないものの、場所の持つ力が出てくるようです。例えば、私の場合、初めはにわか作りだったヨガ・コーナーに、お気に入りのロータス小物、アロマポット、タイで買った女性が手を合わせている坐像、チベットのシンギング・ボールなど自分が好きな物たちが、少しずつ増えていきました。
そして毎日同じ場所で練習を続けていると、気乗りしないような朝でも、この場所に来てマットの上に座るだけで、素直にヨガをしたいな、という気持ちになるのが不思議です。
皆さんも、家でもヨガの練習をしたいのに、なかなか時間が取れないと悩んでいる方は、時間よりも「場所の持つ力」を頼るようにしてみてはいかがでしょう?