
バラは春の開花が終わると、
2番花を咲かせると同時に
来年に向けての準備に入ります。
大切なのはシュートと呼ばれる
勢いのいい新枝です。
今日はつるバラ(モダンローズ)に限って
シュートのお話を少し。
本題に入る前に、大切な事がひとつ。
例えばピエールドゥロンサールやつるアイスバーグなど、
大きく生長するつるバラをお求めになったとします。
「いずれ大きくなるなら、植え替えも面倒だし大きな鉢に植え付けよう」
と6号鉢や8号鉢でお求めになられた株を
12号(直径36cm)以上の鉢に植え付けると...
うまく育たない事が多く見受けられます。
その原因は... 大きな鉢=土の容量が多い=水を必要以上に含む↓
根腐れを起こす→生育不良
となりやすくなります。
ですから6号鉢でお求めになられた株は一年間は
8号鉢で管理される事をおすすめします。
また、いきなり地植えという方法もアリですが、
できるならば、一年間は鉢で育ててしっかりとシュートを出してから、
地植えにされる事をおすすめします。
失敗が少なくなりますよ。
これは他の植物にも言える事です。
幼稚園のこどもに28cmの靴を履かせて、
「運動会のかけっこで1等賞とってきなさい。」って言うのと同じ。
まともに走れっこないです。

2年生大苗や3年目の比較的若い株は
ベイサルシュート(株の根元から出るシュート)や
サイドシュートが発生しやすいです。
5年目以上の中堅から古株になると
初期に発生したシュートを太くして
新しいシュートが出にくくなります。
古い枝の何が問題なのか...
それは花数が目に見えて減ってしまうから。
一方新しいシュートは枝についている芽の
上側のほとんどが花芽になります。
だから花数が多くなります。
枝は4年をめどに更新(古い枝を切り、新しい枝を主幹にする)する方が、
株の若さを保つ秘訣です。

↑今年のピエールのベイサルシュート。
赤い葉を伴って勢いよく発生しています。
シュートを出すために
今回は四つのポイントを。
ひとつ目。
つるバラは上へ上へと伸びていきたい性質です。
なので、今存在する枝を横に倒されると
つるバラの意に反するため
縦方向に新しい枝を出そうとします。
この性質を利用すると...
1.冬の誘引時に根元から倒す。(水平から45度くらいのアングルにおさめる)
2.倒せるほど長い枝がある場合は支柱等を利用して倒し込む(今年入手した鉢バラの場合)
ここでシュートが出やすくなるひとつ目の条件が整います。
ふたつ目。
それは意外にも水です。
開花前や開花中はせっせと水を与えますが、
春の開花終了後こそ、大切な時期なんです。
シュートは繊維質よりも水分を多く含んでおり、
水分が安定して供給されていないと認識すると
シュートを出しにくくなるように僕は感じます。
鉢の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行うようにします。
例えば花ガラ切りを行った後に出てくる
下の画像のような赤い葉をともなった細い枝、
(画像はピエールドゥロンサールです。返り咲きの準備をしています。)
この赤い葉っぱが黒く、触るとシャリシャリと崩れてしまうようなら
水不足です。
6月に入る前から30度近くの高温になり、
プラーナフラワーのある堺市では、
梅雨だというのにそんなにまとまった降水量もない...
バラは不安を感じるのでしょうか?
シュートが出にくくなります。

地植えのバラでも弊店では定期的に水やりをします。
すると先ほどの画像にあったベイサルシュートはもちろん、
ブランピエールドゥロンサールに関しては
ベイサルシュート2本にサイドシュート8本を同時に出すという
大技をやってのけます♩

みっつ目。
肥料です。 春の開花後に肥料は与えましたか?
お礼肥えとも言われますが、
開花後の疲れたバラをいたわり、
来年の準備をしてもらうために必要なカロリーを補うのです。
そうすれば光合成が促進されます。
弊店ではバイオゴールドのセレクション薔薇という肥料を与えています。
まだまだ行きますよ~
長文でごめんなさい。これで最後です。
よっつ目。
根詰まりです。
鉢植えのバラはもちろん、
地植えのバラでも根詰まりを起こします。
これに関しては冬に行う作業なのですが、
1月2月に寒肥を与えるときにシャベル(スコップ)で
ザクザクっと根を切ります。(全部ではありません。)
この方法に関してはまた来年記事にしたいと思います。
鉢植えの根詰まりならば今植わっている鉢よりも
ふた周り大きな鉢に植え替える事で根詰まりは一時的に根詰まりは解消します。
やはり、2年に一度は植え替えをして根っこが伸びるスペースを確保する方が、
良いように思います。
根詰まりを起こすと根っこの周りに大切な酸素がなくなり、
窒息状態になります。
そうすると健全な生長ができなくなり、
シュートが吹かないと言う結果になるように思います。
ここでひとついいお知らせを↓
バラのシュートを出しやすく、
そして根詰まりも夏のこの時期でも一気に解消する裏技があります。
が、発案者の許可をとっていないため、
店頭で私にご質問ください♩
長々と書いてしまいましたが、
僕もシュートが出ない年を経験した一人なので、
少しでも参考にして頂ければと思います。
みなさまのバラと過ごす日々が
喜びに満ちた日々でありますように。
最後まで読んで下さってありがとうございました。