「アノーラ」を観ました。
第97回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞の5部門を受賞しています。
カンヌ国際映画祭ではパルムドールも受賞しているんですね。
キャッチコピーが
21世紀のアンチ・シンデレラストーリー
ということで、興味がそそられますね。
ストーリーはニューヨークでストリップ・ダンサーをしているアノーラは客として出会ったロシア人の御曹司イヴァンと意気投合し、ロシアに帰るまでの「契約彼女」になる。パーティやショッピングなどの贅沢な日々を過ごした二人は勢いでラスベガスの教会で結婚してしまう。
前半は「プリティウーマン」のようなシンデレラストーリーである。ここから、アノーラは夢から現実に引き戻されていく。
※ここからネタバレ注意⚠️
息子が娼婦と結婚したと聞いたロシアの両親が離婚させるべく、部下を息子の住む邸宅へ派遣する。
イヴァンはアノーラを置いて一人逃亡する。
残されたアノーラは両親に引き合わされ、離婚するよう要求される。せっかく玉の輿を掴んだアノーラは頑なに拒否してイヴァンを探す。
部下三人とイヴァン捜索へ向かうのだが、ここはコメディタッチで面白いです。
口やかましいトロス、間抜けなガルニク、寡黙なイゴールの人物像のコントラストがいい感じです。
イゴールはアノーラに惹かれてるのか、何かと優しく接しようとするが、アノーラ―はそれを拒否する。
ついにイヴァンを発見するが、彼はすでに諦めの境地に入っていてすんなり離婚を了承する。
その様子を見て絶望するアノーラ。
離婚手続きをした後にイゴールに自宅まで送ってもらったアノーラ。この二人の関係に変化が現れるところがラストシーンになる。
イゴールは屈強で暴力的だが、実は心優しい男で、パリピーで軽薄なイヴァンとは対照的な人物として描かれています。
一番感情移入しやすいキャラですね。
シンデレラストーリーの定型を破壊した恋愛コメディとして面白かったです。
