ヴェーダの宇宙観(1) | 倭の国、聖俗つれづれ

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普通の会社員でも無視できなくなってきた、日常生活におけるスピリチュアル・神秘主義あれこれ

インドのヴェーダ哲学では、宇宙にはまず大きく分けて物質世界と、全く物質的要素のない純粋な霊的世界というものがあるということになっています。

(物質宇宙の中における生と死の繰り返し=輪廻転生から離脱することが、所謂「解脱」ということになります。)
 
物質宇宙は、14層に分かれており、この地球は上から7層目であると言われています。
 
この物質宇宙には、様々なこと役割を担っている高位の人々がいます。
これが所謂「神々(“Deva” または、Demi gods=半神とも呼ばれます)」という存在です。
 
14層の宇宙は、上に行くほど「物質度」は低くなります。
高位の宇宙に住まう人々は、地球の人間よりも、大きな力を持っており、長い寿命を持ちます。
 
一般的に言われる「天国」とは、地球より2層上のスヴァルガ・ローカ(ローカとは惑星の意)のことです。
地球で生きている間に徳を積んだ人々は、この天国に行き、長い寿命と地球上では考えられない程の楽しい生活をエンジョイできます。
そしてその徳の貯金が切れたら、またこの地球に落ちてきます。
 
もし高位の惑星であるスヴァルガ・ローカで更に徳を積めば、もっと上層の宇宙に上がっていくことができ、望めば宇宙を管理する様々な役割を担うこともできます。 
 
一番上のサティヤ・ローカ(ブラフマ・ローカ)にまで到達して、そのまま修行を続けていれば、この宇宙が終わる時、そのまま解脱できます。(この宇宙にも寿命があります。311兆400億年です)
 
ヨーガを学んでいる人で、最も基本的なアーサナである太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)を知らない人はいないでしょう。
 
スーリヤとは太陽神のことですが、スーリヤという神様がいるのではなく、太陽の力を統括する役割の名前という理解の方が正確です。
 
私たちも、徳を積んでいけば、望めばスーリヤになることも、アグニ(火の神様)になることもできます。
 
神々も私たち人間も、そういう意味では、物質生命体であることに違いはありません。
 
間違いを犯すこともあれば、寿命もある。
寿命があるとということは、時間の束縛も受けているということで、永遠の存在でありません。