『 NHKの、こころの時代 〜宗教・人生 12年 孤独に自分と向き合って 〜 比叡山 籠山行  』  より


「掃除で見つめる"こころ"」周利槃特


周利槃特は、お釈迦様の弟子の一人だった。
周利槃特は、非常に記憶力が無く、自分の名前すら忘れる程だったと言う。
周利槃特は、「これでは修行にならない」と、修行を辞めろとまで言われた。
周利槃特が、お釈迦様に相談した。
すると、お釈迦様は、周利槃特に箒と塵取を渡し、何処でもいいから汚いところを掃除して回れと述べた。
周利槃特は、来る日も来る日も、汚いと思うところの掃除をして回った。

そして、ある時、周利槃特は、ふと思った。

これは綺麗で、これは汚いと分別している
自分の心が一番汚いのではないか‥。

宮本祖豊さんは、周利槃特の話を説いた後に続けた。

真っ赤な紅葉が、
緑の苔の上に落ちるんですが、非常に綺麗。
では、この紅葉、本当にごみなのかって。
私らの固定概念がゴミしてるんですよね。
"これは要らない" そう思っているんですよね。

カール・ユングは、この世界に存在する全ての人々、動物、物質は繋がっていると説いた。

"綺麗なもの、汚いもの"、"必要なもの、必要でないもの"等、撰んでいるのは超意識の末端に存在する、"個"と呼ばれる 私たちである。

「真実」には、優劣等は存在しない。

風の時代に…