『孤独を愛する者は、強者である』

 

人は時として、

世の中にどっぷりつかって、人の波の中だけで生活をする。

反応することのみに人生を費やしてしまい、自分を見失ってしまう。

 

例えば、

仕事に明け暮れて、家には寝に帰るだけ。有休返上で出勤する・・・。

 

私も、かつて、そんな生活を送っていた。

人に評価されるのが嬉しかった。

一生懸命頑張って、その分野では一番の知識者になるぞと日々努力をした。

 

しかし、

そのゴールに手が届くことが目前になった時に、ふと気が付いた。

 

「その先に何があるのだろう」

 

一番の知識者になって、まわりに認められて・・・

 

想像し始めると、最初はワクワクして来たが、その先へ先へと想像を巡らして行けば行く程、虚しさが湧いてきた。

 

私は、いつの間にか自分自身を、他者の価値観でしか評価しなくなっていた。

いつの間にか、自分は自分自身にとって何たるかを失ってしまっていた。

 

私は、自分自身の価値観のみで生活していた頃の自分に問いたくて、中学生の頃に初めて読んで感動した、マリー・ルイーズ・フォン・フランツさんの「ユング~現代の神話」を再び持ち出して読み返し始めた。

 

そんなある日、

とある友人に友人を紹介された。

その人は、どこか浮世離れしていて孤独を好んだ。

どこか、人の世に背を向けた感じがした。

その人は、動物や子どもに優しく、人の世をやんわりとした心持で見つめていた。

 

当時の私には、

その人は、どこかあか抜けない、流行から外れて地味でカッコ悪く見えたが、その人と話していると、どこかホッとした。

 

しかし、

私は、あえて、その人と、それ以上の繋がりを築こうとはしなかった。

 

今、思うことは、

 

本当に強い人、この世界に必要な人とは、あの人の様な人だと思う。

 

あの人が、どうか幸せでありますように。

そして、世界が幸せで包まれますように。