第1 初めに

 最近、全国の裁判所で、裁判官や司法修習生(司法試験に合格し、裁判官、検察官、弁護士その他の職業に就くために研修を受けている者)において、ハンセン病資料館を見学したり元患者の講演を聞いたりする取り組みが始まっているようです。

 ハンセン病の患者はかつて、間違った理解のもとに、人々から話されて生活することを強制されるなど、その人権を侵害されることが多々ありました。

 そのような状況が少しづつ改善し、ハンセン病に対する理解も正確になっていったのです。

第2きっかけとなったのは

一つのきっかけとなったのは、憲法記念日に合わせた記者会見において、最高裁判所長官が行った謝罪会見です。1972年までハンセン病患者の裁判を隔離施設で実施した「特別法廷」の差別性を認め、「憲法的価値を実現する裁判所にそぐわない行為だった」と述べました。つまり、人はだれしも裁判を受ける権利があり、一般国民が見ることのできる公開の法廷で裁判を受けることは権利として保障されているにもかかわらず(憲法32条、82条1項)、ハンセン病患者が裁判に臨むにあたってはほかの人からは隔離された施設で裁判を受けることを余儀なくされ、その事件を侵害されたのです。これは抽象的な人権侵害にとどまりません。一般国民が見ることのできるような公開法廷だからこそ、裁判所のおこなう裁判に対して一定程度の監視機能が期待できるので、より公正な裁判が期待されるのですが、その監視機能がハンセン病患者の裁判においては果たされないからです。

 また、熊本地裁は2001年、ハンセン病に対する特効薬が普及し始めた60年以降もハンセン病患者を隔離し続けたことについて「差別・偏見を放置した」と指摘し、憲法13条の幸福追求権などに言及して違憲判決を下しました。

第3 今後について

 ハンセン病に対する扱いが国、自治体レベルではかなり改善しました。しかし、私の感覚では、国民の感覚ではその差別・偏見がまだ残っているのではないかと思います。

 そもそもハンセン病とは何か?それを知らない人もいらっしゃいます。

 様々な人が共に生活する以上、違いが生じることは仕方のないことです。しかし、その中で不合理な差別がなされることはあってはならないと思います。

 今後もハンセン病に対する差別などが無くなっていくことを期待します。