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昨日、名古屋会場で行われた事業承継フォーラムに参加しました。チロルチョコ株式会社、菱信工業株式会社、株式会社瀬戸大同の社長、会長の方々などのお話を伺いました。

事業承継の中でもとりわけ、親族内承継に主眼が置かれた印象のフォーラムでしたが、紛争予防のために承継者以外の相続人に対して①遺留分放棄の手続を求めることはあり得ますし、またそもそも大事なご子息に引き継がせられるほど価値のある企業かどうか(②ディューディリジェンス)の判断が必要となる場面もありますので、法律家が活躍する場面はあると感じました。

親族内承継は事業の引き継ぎがスムーズに行われる点ではいいですが、悪い点もあります。例えば、経営者としての能力が芳しくない方であっても社長になってしまう結果、社員らはもちろん、その社長のご子息までも不幸にさせてしまいかねない点です。また、ゆくゆくは自分が社長になるんだという意気込みで会社に尽くして来た社員は、親族内承継を機に離職してしまうこともあります。また、親族内承継による場合、前社長の意向が新社長に十分に反映されるのは良いですが、その反面、これまでの経営の悪い部分も引き継いでしまうことも考えられます。

以上のとおり、親族内承継にはデメリットと言われる点が数点ありますが、今回のフォーラムでお話ししてくださった社長は、それでも親族が事業を引き継ぐべきだとおっしゃいます。その理由とは、①引き継ぎの際の意思伝達が滞りなくできる、②子が引き継ぐことが慣例化すれば頻繁に社長が交代することはないため短期的な利益獲得に縛られない結果、長期的な経営ビジョンを立てやすくなる、③これまで企業経営の恩恵を被った社長の親族こそが経営を引き継ぎ、その恩に報いるべきである、の3点でした。私はお話を聞いた中で、三つめの理由を特に新鮮に感じました。

私自身は社長の息子などといった恵まれた家庭で育っていないため、そのような立場の人はうらやましいなあと単純に思っておりましたが、社長のご子息の方々はその立場に応じた悩みや想いを持っていたんだなあとしみじみ感じました。

今回のフォーラムを通して、そのような方々の考えを少しでも知ることが出来たのはとてもいい経験でした。これを今後の仕事に活かしたいです。