「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」から学ぶ広報のヒント | IT企業のPR

「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」から学ぶ広報のヒント

「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 」という本をたまたま本屋で手にして読み始めたらおもしろくて、さらに続きが読みたくて購入しました。タイトルの通り、プレゼンに関する本ですが、仕事がら広報の仕事にどのようなヒントがあるかという視点から読み続ける中で参考になるポイントがいくつかあったので、自分の記憶に留めるためにも最も印象に残ったことを3つ紹介したいと思います。

1つ目は、「3つのキーメッセージ」です。聞き手に受け取って欲しいキーメッセージを3つに絞ることの大切さを教えています。スティーブ・ジョブズはプレゼンの際に「3」という数字を好んで使っていて、物事を説明するのに大事な3点に絞って話をしています。実際にこの「3点ルール」は人間の記憶力に関する研究でも裏打ちされたコミュニケーション理論であるとのことです。広報で考えたら、ニュースリリースでいくつもポイントを書き連ねるより、大事な3点に絞ったニュースリリースのほうが記憶に残りやすいと思います。また、記者発表会のプレゼンでも大事な3点にしぼって話をしたほうが、聞き手である記者の記憶に残りやすいでしょうし、記者が記事が書きやすくなると思います。

2つ目は、「一番大事な問いに答える」です。プレゼンの聞き手は「なぜ気にかける必要があるのか」ということを自問しながら聞いているので、この問いかけに答えるように話をすれば聴衆を話に引き込むことができるとありました。企業の広報活動でよくありがちなのが、製品やサービスの機能や技術を延々と説明して、それがユーザーにとってどんなメリットがあるのかよく分からない説明になっていることが往々にしてあります。外資系のIT企業のリリースでよくあるのが、「比類なき」「堅牢な」「最先端の」など訳しても意味のない形容詞がたくさん使われていて、結局この製品・サービスが何をもたらしてくれるのか、メリットが何なのかよく分からないリリースをこれまでに何度も目にしました。ユーザー視点で、ユーザーがなぜこの製品・サービスに注意を払う必要があるのかという問いを念頭に置きながら分かりやすく説明することが大切であることを改めて確認しました。

3つ目は、「解決すべき問題という敵役を登場させる」です。スティーブ・ジョブズはプレゼンの中で解決すべき問題という敵役を登場させることで、ストーリーに説得力をもたせているそうです。マックワールド2007でiPhoneを発表した際に、これまでの「スマートフォン」を敵役にして、従来のスマートフォンの様々な問題点を指摘しながらiPhoneがどうやってそれらの問題点を解決できるかというストーリーを説明したそうです。つまりみんなが感じている痛みを明らかにし、その理由を示して、痛みを治療する方法を提示するのがスティーブ・ジョブズのやり方だそうです。これは企業の広報においても、大事なことだと思います。本の中にも書いてありましたが、ユーザーが感じる痛みを明確に定義することができれば、それを解決する製品・サービスが受け入れられる可能性が高くなると思います。

以上、最も印象に残った3点でした。この本はお薦めです。