New York Timesが取り組むニュース記事の波及分析 | IT企業のPR

New York Timesが取り組むニュース記事の波及分析

先日、The New York Timesの研究開発ラボが取り組んでいるCascadeというプロジェクトがオンライン上で話題になっていました。このプロジェクトは、ツイッター上でNew York Timesの記事がどのように波及していったのか視覚的に見えるようにするツールを開発するプロジェクトです。

このツールがどのような方法で記事の波及を分析できるかについては、以下のビデオを見れば仕組みが分かると思いますが、ツイッターと短縮URLのBit.lyを使って時系列で記事がどのように波及していったのか視覚的に分析することを可能にしています。



このツールによって、一つの記事によって生み出された一連の波及活動を分析することで、誰が最も記事の波及に影響を与えているか明らかにし、一つの記事のライフサイクルを把握できます。さらに、ツイートに書かれていた内容や、リンクした記事がどのような影響力を持っているか分析したり、一日の内の何時もしくは週の何曜日にツイートしたものが記事の波及に影響を与えたかなど様々な要因を調べることができるとのことです。

以前もブログ記事で紹介しましたが、Cascadeの分析結果でも、ツイッターのフォロワー数の多さが影響力を示すのではなく、より活発に情報をリツイートしてくれたりするユーザーを数多くフォロワーとして持たなければ影響力がないということを示しています。

このツールによって、これまでなかなか目に見えなかった、様々な人々のクラスターがどのようにコンテンツをシェアしているのか、どのようなツイート内容に反応しているのかなどが見えるようになり、それらの知見をもとにどのような見せ方でコンテンツをシェアすると波及力があるのか予測できるようになるとのことでした。

そういえば、以前紹介したように、CBSNews.comでも、読者がどのコンテンツを最もクリックしているか、どのコンテンツのツイートが最もRTされたかなどのデータを常に分析して、読者が何に最も関心を抱いているかということを見極めコンテンツの戦略を立案していると言っていました。

こうした取り組みを知るにつけ、ソーシャルメディア上で各企業のコミュニティがどのような人々で構成されていて、そのコミュニティの中でどのような話題が議論されているのかデータをもとに知っていくことが企業の戦略上ますます重要になってきていることを感じました。