B2B企業のソーシャルメディアによるセールスリードの可能性 | IT企業のPR

B2B企業のソーシャルメディアによるセールスリードの可能性

先日もデルのケースで紹介しましたが、ソーシャルメディア向けの活動を展開している企業は、日常的に自社のことについてとりあげるブログなどをモニタリングして、どんなことが話されているのかブロガーの声を聞いています。日本ではまだこういったモニタリングを実施している企業は少ないと思いますが、ソーシャルメディア向けの活動においてはまず最初に「お客様の声を聞く」ということの大切さが浸透しつつあると思いますので、まだ具体的なアプローチ活動を展開していなくても、最初のステップとしてソーシャルメディアのモニタリングを始める会社が今後増えていくことが予想されます。

このソーシャルメディアのモニタリングが企業において習慣化することで、B2B企業にとっては今までとは変わった形のセールスリードにつなげられる可能性があることについて、Social Media B2Bというブログに書かれていました。B2B企業が自社のブログなどのソーシャルメディアツールをもっていることが前提になりますが、そのB2B企業が将来的なお客様としてアプローチしたい企業が抱えている課題の解決方法などを、あからさまなセールスピッチではなく、客観的な立場でブログ上で提案することによって、セールスリードにつなげられる可能性があります。

これはすでに数多くのブロガーが実践していることで、ブロガーが意識していてもいなくても自分が尊敬していたり、つながりをもちたい人をブログの中で書き続けているうちに、先方からコンタクトがあって何らかの関係を作っています。

その一例を紹介します。私が尊敬するDavid Meerman Scottが、今年の6月に彼のブログで「Attention GM: Here are the top 5 marketing ideas for your reinvention」という記事を書きました。再生計画が始まった米国自動車会社のゼネラル・モーターズのマーケティングの課題を指摘し、GMの再生を行う上でScott氏が重要だと思う5点のマーケティングアイデアが提案されていました。

最初これを読んだときは、大胆だなと思いましたが、このブログ記事を読んだGMのソーシャルメディア担当のChristopher Barger氏がScott氏にコンタクトして関係が始まり、最近辞任しましたが当時のCEOであったヘンダ―ソン氏からも直接Twitterで返事をもらったそうです。また、さらにこの関係が発展し、Scott氏はGMのソーシャルメディアコミュニケーションチームからGM本社に招待されて、当時のヘンダ―ソンCEOを始めとして、様々な要職の人とインタビュー取材を行い、その内容をビデオに収録したものがシリーズで紹介されています。

このようにブログをきっかけにして新たな関係作りができることをScott氏の事例が教えてくれます。Scott氏がもともとGMにアプローチをしたくてこのブログ記事を書いたかどうかは分かりませんが、Scott氏が持つ専門的な知識をもとにGMの課題に対する解決方法を提案したからこそ、このような関係につながったのだと思います。

B2B企業もこのようなやり方でアプローチしたいお客様が抱えている課題に対して具体的にどのような方法で解決していったらいいのかなどお客様にとって価値のある情報をブログ上などで提供すれば、それを読んだお客様企業の担当者から連絡が来てセールスリードにつながるかもしれません。