前々回に記した「小5・算数」の続きです。

 

速度(速さ)・距離・時間…を求める公式があります。

 ・速さ=距離÷時間

 ・距離=速さ×時間

 ・時間=距離÷速さ

これを、「公式として覚えるのは苦手だ」というお子さんに、図示しちゃおう…という話です。

「きはじ」の図。

かなり有名な図なので、ご存じの方も多いかもしれません。

 

 ・例によって、横線は÷です。

 ・縦線は、かけ算の×です。

 ・き=距離、は=速さ、じ=時間…となりまして。

×÷を当てはめると、上述した公式ができます。

 

例えば、速さ=分速200mで1時間歩いたら、距離は…。

距離=分速200m×60分=12000m

…という具合です。

 

12キロを1時間で歩くなら、時速は「き」÷「じ」なので。

時速12キロ。

ただ、分速なら12000÷60=200mになるので、そういう「ひっかけ問題」が出そうな気がします。

 

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書いていて、疑問も感じます。

・きちんと速度の意味を理解していないと、上述した「時速」「分速」みたいな罠にかかる。

・図を忘れてしまったら、手も足も出なくなるのではないか?

…など。

 

ちょっと話はズレますが、こういう風に図で覚えちゃう子は、次のような計算はパパっとできないかも…という話をします。

 

今クール、NHKーBSで「舟を編む」というドラマが放送しています。

出版社の辞書編纂部に異動したヒロインが苦闘する…という、何度も映像化された作品です。

その第2話で、こんなクダリがありました。

 

ヒロインが、辞書の改訂部分にマーカー引いていく作業にかかります。

2ページ済んだ所で、「え?もう1時間経ったの?」となりまして。

このペースだと…と計算を始めます。

 ・残りページ=1932ページ。

 ・1932ページ÷1時間あたり2ページ=966時間。

 ・1日7時間を作業に費やすとして、966÷7=138日かかる。

 ・1か月23日働くとしたら…138÷23…

「えっ、6か月!? 半年、この作業をやるの?」

 

まぁ、笑うシーンなのですが。

こういう風に、仕事のアタリをつけていくっていう作業は、たいていの大人は行いますよね。

これも、速度問題の応用だと思うのです。

「1時間あたり」の意味です。

この話に、とっさに対応できる小学生は少ないとは思いますが…最終的には、こういう応用に繋がらなくては。

 

「きはじ」の図は、入口としては優秀だと思います。

ですが、腑に落ちる所まで持っていき、さらに「使いこなす」のは意外と大変かもしれません。