先日伯父から
「社協の人との話が進んだ、契約書を見てほしい、墓じまいも済ませた」との電話がありました。
私の家から伯父の家まで電車とバスを使って7時間ほど…乗り換えの関係で新幹線を使っても1時間ほどしか変わりません。交通の便が悪いためです。なので行くのも少し躊躇します。
ですが伯父もいつまで元気か分かりませんし、私も健康でいられるとも限りません。
11月は仕事の閑散期ということもあり、平日休みをとって伯父の家へ行きました。
こともあろうに道が混んで乗ろうと思っていたバスに乗りかえることができず……これでも40分の余裕をみていたのですが…チケットキャンセルして新幹線チケットを買い直しました。
3分後に新幹線は発車、そして在来線への乗り換えも5分とありませんでした。
その電車も伯父の家の最寄り駅までよりも手前が終点、なので伯父に迎えに来てもらいました。
年寄りの運転する車には正直乗りたくないのですが、背に腹は変えられません…。
伯父は結婚歴もなく、当然子供もいず、両親親兄弟はすでに他界し、近しい身内は私と妹しかいません。
昨年伯父の弟(乳児の頃養子に出されたので血は繋がっているが他人同然の関係)が孤独死したことで、終活に覚醒したのです。
私たち姉妹と伯父は親交があったわけではなく、最近は行くと何かを持たせてくれたりお金をくれようとするので「釣ろうとしているのではないか」と妹は訝しげです。
私が人を疑うことをしないためか、彼の言動から「モノで釣る」というふうには思えないのです。
「社協の人に姪との養子縁組を勧められた」と言っていたけど私たちが断ったところ早速社協の人に「断られた」と相談に行きつつ、家の片付け、墓じまい、今後入ろうとしているケアセンターを調べたりなど、年寄りとは思えないフットワークの軽さで、彼なりの「終活」を着実に進めています。
今回は「契約書を見てほしい」との要望でしたが、実は2週間ほど前に伯父から電話があり
「今度、こっちに来る話、またの帰省した時の機会でいいから…急に呼びつけて、申し訳ないと思って」と言い出しました。
「いずれは行かないといけないし、冬は雪が降るかもしれないから帰省しないかもしれないし、娘もこっちに帰省するかもしれないから、行きます」ということで今回伯父の家に行く運びとなりました。
そのようなことを言う人がとても「モノで釣る」などと私には思えないのです。
伯父はいくつか資料を炬燵の上に置きました。まずは「遺言書」を見ました。
伯父の弟には息子がいて、今回「叔父」の件は息子が請け負ったのですが、その「息子」は伯父の「甥」です。ですが、他人同然の関係だったので遺言書には「甥」がいるにもかかわらず私と妹に遺産を相続させると記していました。
そして伯父はこう言いました。
「ケアセンターは今空きがなくて入れないが、いずれは入ろうと思う。俺が元気なうちにケアセンターへ行くことになったら俺が責任持ってこの家土地の始末をする。でも、俺が認知症になったりしたらそれはお前たちにお願いしたい。家を壊す金ぐらいあるし、残った金はお前らで分けてくれ。土地はさほど値段がつかないにしてもJAが買ってくれるかもしれない。この辺は割と駐車場の需要があるから、駐車場だって借りるに5000円くらいするから、きっと欲しいと言う人がいると思う。売らなかったとしても固定資産税もそんなに高くない。」
伯父は今話題の?元ハンターです。
借金がある人はハンターになれないし、夫曰く、近所の評判とかその人の身の回りの環境や、人格も厳しく審査されるとか…。
おそらく「負の遺産」はないと思います。
そして社協とは月に一回の状況確認の電話、半年に一回の訪問、急に倒れた時のサポートや万一の時の援助を受けるサービスの契約をある程度まとまったお金を支払って契約していたのです。
私は伯父ができる限り私たちに迷惑かけない最大限の行動をしていると思いました。
なのに妹は
「伯父さんはケアセンターに入りたいってこと?私たちで入れるケアセンター調べた方がいいってこと??」
「遺言書あるけどそれでも相続放棄できるのかな?」
という具合で伯父の意図を汲み取っていないような感じです。
「誰だって長年住みなれた自分の家が一番いいんじゃない?伯父さんはこの家を残すと私たちの負担になるだろうから取り壊して更地にしたいけどでもこの家から出なきゃそれもできないでしょ?だからケアセンターに入ろうとしてんじゃないの?でもセンター入る前に万一のことがあったら、と思って色々社協の人に相談してるんじゃないの?なるべく私たちに負担にならないようにさ」
というと妹は納得した様子ではありましたが、遺産の相続は相変わらず後ろ向きのようです。
ところで私は今伯父の家の近くのペンションにいます。
このペンションに最初に泊まったのは子供がまだ小学生、保育園児だった頃、私の祖母の法事のためでした。
都会の喧騒や仕事や育児に疲れた私は何もない、人里離れた子どもと一緒にバーベキューをしたり、お風呂に入ったり束の間家族だけの世界で現実逃避をしました。
その時、私が幼い頃見た文字通り満天の星空を家族に見せたかったのですが、あいにく雲が多く、見られませんでした。
そして数ヶ月前に宿泊したときは稀に見る大雨。
今日は終日快晴で、無事星空見ることができました。
いいカメラを使わないとこの星空は写らないので写真は撮っていません。
子供の頃、このような状況に置かれて再びこの星空を見ることになろうとは思いもよりませんでした。
次にこの星空を見るのはどんな状況なんだろう…
星空を見上げた時子供だった私は成長し、
私の子供が星空を見上げた時のあの頃の私と同じくらいに成長し、
近い将来子供の子供があの頃と同じ私に成長しているのかもしれません。