名作探訪・尾道:大林宣彦監督作品『あした』その1 | PERFECT PERSONAL WORLD

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西に東に、はてしない追っかけ日記

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『あした』は、1995年に公開された映画。
『ふたり』に続く、大林宣彦監督の新・尾道三部作の第二作で、海難事故で沈んだ船の乗客と、その遺族達との再会と、そこに居合わせた、巻き込まれた人達の一夜を描いた映画。

原作は、『ふたり』と同じく赤川次郎の「午前0時の忘れもの」。
撮影当時、因島に建てられたセットが、今は尾道の向かい、向島に移され、バス停として利用されていて、尾道訪問の折には訪れるようにしています。
向島までは、尾道から100円。日本一短いという5分足らずの船旅。着いた着船場のすぐ目の前が、ロケセットの兼吉のバス停。すぐ側には、新・尾道三部作のロケ地マップが。
裏手には、ロケセットの名残か、所々はがれた「高速船乗り場」の看板も。外側も中も、荒れてしまっていて、どことなく寂しく。

ちなみに、『あした』の原作「午前0時の忘れもの」は、船ではなく、バスの事故とバス停留所での物語なので、ある意味先祖帰りした使われ方です。


ここへ来たのは、何年振りかですが、その間に植木等さんや、峰岸徹さんといったキャストの方々が亡くなられて、何となくお墓参りしたような気持ちに。
ちなみに『相棒』のせいで、岸部一徳さんのお名前も書きそうになりました(>_<)


「死者との再会」を描いた映画だけに、大林宣彦監督も、エッセイでこの場所について、ロケ地巡りに訪れた人が、「亡くなった奥様に会える気がしてやってきた」という、感動的なエピソードを書かれてます。


荒れが目立ってきているのが、本当に残念。改修していつまでも使って欲しいです。