枇杷のなる夏の庭で、私はこれから帰路のない旅へとたつ
会いたくて、会いたくて、会いたくて仕方のなかった、あの頃の若いままのあの人が、光に包まれて迎えに来てくれたから
私はとても幸せだったのよ
だから泣いてくれるのは嬉しいけれども
悲しみで心を満たさないでね、お願い
だってあなたは生まれて来ただけで、ただそれだけで私を、私達を幸せにしてくれたのだから
心残りはないと言ったら嘘になるの
それでもね、あなたへの愛はきっと伝わったと信じている
だからあなたも、幸せでいてね
大丈夫だから
あなたを愛する人を愛して、幸せでいて
それだけが私の願いだから
あとね、一つだけお願いがあるの
遺影は父さんに見合うように、若い時のにしてね
母さん、若い頃、とっても可愛かったんだから
本当よ?
それでは、そろそろ
愛してます、母より
