愛の証、婚約指輪の歴史は

古代ローマ時代から


史実にのこる世界で最初の婚約指輪は15世紀にさかのぼります。

ブルゴーニュ公シャルルの娘マリアと、

ハプスブルグ家の王子マクシミリアン大公との婚約の際に贈られた指輪です。

Mの文字をかたどった指輪で、

聖母マリアと、マリア、マクシミリアンのふたりの

結びつきを表していると言われています。

彼はその後、ローマ王に選ばれマクシミリアン一世となり、

「近世のヨーロッパ王政史はハプスブルグの歴史だ」

と言われた大帝国を欧州に築いたハプスブルグ家の土台を築いていったのです。

人類最初の婚約指輪は、古代ローマ時代といわれています。

材質は鉄で、恋人同士の愛の証として鉄の輪をはめたのです。

2世紀には金の指輪が登場します。そして1456年、

オランダ人のベルケムがダイヤモンドの研磨に成功してからは、

ダイヤモンドつきの婚約指輪が王家の習慣となりました。

その後、ダイヤモンドの婚約指輪は時代とともにデザインを変えてゆきますが、

一般人の手の届くものではありませんでした。一般家庭に普及したのは19世紀。

プラチナのリングにブリリアントカットのダイヤモンドを支えた

ティファニー・セッティングが登場したのもこの時代です。



日本の婚約指輪の歴史


日本はというと婚約指輪を結納品に添えることが普及したのは

1960年頃だと思われます。

1970年になると婚約指輪の取得率は67%になります。

しかし、ダイヤモンドの婚約指輪はそのうちの16%と少なく、

当時は真珠や誕生石の婚約指輪が主流だったようです。

その後、ダイヤモンドの婚約指輪が飛躍的に伸びたのは

テレビCMの効果でした。

CMは70年代からはじまり「お給料の3か月分」というキャッチコピーとともに、

日本人の男女モデルによるCMが流された1982年には、

婚約指輪の取得率は79%。

そのうちダイヤモンドの婚約指輪は70%を占めています。

デ・ビアスが日本に対して行ったこのキャンペーンは見事に成功し、

CMは時代に合わせてさまざまなカップルを描き続けます。

1984年には、お見合いで知り合ったと思しきカップル。

1988年と1990年は、弱い男性と強い女性の組み合わせがとても新鮮でした。

1992年と1994年には電車の中など

日常的な場所でのプロポーズシーンで等身大のカップルを表現。

これらのCMは、「お給料の3か月分」というキャッチコピーは大きなお世話だとしても、

描かれているシーンが心に残る見事なCMでした。

普段あまり目にすることのない「他人のプロポーズシーン」と、

美しいダイヤモンドの指輪に日本中の男女が目を見張りました。

こうして、日本におけるダイヤモンドの婚約指輪は不動の地位を築いていったのです。