林家正蔵の件に関しての部分は同意しかねますね。
この文章からだと意図的に脱税したように受け取る読者も多いと思います。
本当に祝儀を隠して脱税するつもりなら、祝儀袋なぞ捨てて、
現金はもっと見つからないところに隠しておきますよ。
単純などんぶり勘定が原因で脱税したことになったのだと思います。
小生もこれだけの収入がある人がどんぶり勘定でよいといっている訳では
ありませんが。
■メルマガエッセイ*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
【 芸人は日本国民じゃないのか / 和田秀樹 】
前回も、前々回もお話したように、映画の撮影に入ってしまい、忙しさのあま
りにこのエッセイが毎度遅れてしまっていることをお詫びしたい。4月19日に無
事クランクアップして、どうにか普通のスケジュールに戻る予定だが、まだまだ
編集作業が残っているので、どのくらい時間がかかるか読めたものでないのを、
もうしばらくお断りしたい。
私が、もっとも許せない非国民だと思う人間は脱税をする人間である。当たり
前のことだが、憲法にも国民の三大義務の一つとして明記してあるし、インチキ
なタックスヘイブンを除けば、税金のない国はない。9条改正などといっても、
税収が十分でなければ、軍事予算もかけられない。あるいは、北朝鮮や崩壊前の
ソ連のように国家予算の大部分を軍事費に使い、軍隊はそれなりに立派なものと
なったが、その反面国はぼろぼろになってしまう。
昨年9月に京都市内のパチンコ経営会社の巨額脱税が報じられたことがある。
グループで5店のパチンコ屋を経営していたのだが、2005年11月期までの3年間
で約79億円の所得隠しをしていたことが明らかになり、崔大秀容疑者ら5人が逮
捕された。私が問題にしたいのは、このグループの決算上は、売り上げは約64億
円で推移していたことだ。つまりこのグループは、年間64億円の売り上げで年に
26億、売り上げの4割以上の所得が隠せていたのである。
普通に考えると、この会社のパチンコ店だけが、出玉が特に悪いだとか、機械
や設備が古いなどで、例外的に利益を上げているとは考えづらい。パチンコは30
兆産業といわれているから、4割の所得隠しは異常であっても仮に3割程度の所
得隠しが可能であれば、9兆円の所得が隠され、4兆円、つまり消費税2%分の
税を取り損なっていることになる。もちろん、これは私の誤解かもしれないが、
税務調査をする価値は十分にあるだろう。
あまつさえ、日本に帰化する資格をもちながら、あえて北朝鮮国籍を有する人
たちが経営することが多いのに、拉致議連の議員たちも拉致被害者の家族会の皆
さんもまったく問題にしないのが不思議でならない。私が拉致議連にたいして本
気で拉致問題を解決する気があるのか、また国の財政を本気で考えているのかを
疑う根拠はここにある。彼らが何らかの利権のためにパチンコ屋をかばっている
のであれば、被害者の味方ではなく、新たな北朝鮮利権といわれても仕方がない。
私が日本の右翼を信頼しないのもそういう理由である。9条改正などを声高に
叫ぶくせに、そのために税金が上がってもいいという御人には出会ったことがな
い。右翼と名乗る連中が税金もろくに払わず、ベンツを乗り回し、豪邸に住んで
いるのでは、彼らを愛国者と信じるわけにいかない。税金が高くても祖国を捨て
ずに、祖国のためだと思える人間こそが愛国者だと私は信じる。金持ちでありな
がら税金を上げろというのは、私の知る限りビル・トッテン氏しかいない。彼は
日本に帰化した(ほとんどのパチンコ屋は、その資格がありながら、北朝鮮や韓
国の国籍のままだ)そうだが、私にいわせれば唯一の愛国者だ。
税金については、もっと今日的な意味合いもある。
今、日本では3万人もの自殺があるが、経済的理由が1万人はいるといわれて
いる。
そのうち、どのくらいの数かはわからないが、生活保護を打ち切られたり、打
ち切りの予告を受けたり、あるいは申請しても生活保護が受けられなかったりと
いう人がいるはずである。また、生活保護を早くやめろというプレッシャーを受
けてという人もいるだろう。おそらくそんな人は1000人ではきかないはずだ。
もちろんニート同然で生活保護を受けていたり、不正受給をしていたりする人
もいないわけではない。しかし、高齢になっていたり、障害を抱えていたり、あ
るいは中高年になって再雇用が難しかったりという人のほうがずっと多数なのは
事実のはずだ。こうして、憲法で保障されている生存権や社会権を奪われたまま
死んでいく人が、たくさんいる時代ということを考えると(高度成長期には生活
保護の受給がフリーパスのような時期があったらしいが)、税金を払わないやつ
の罪は大きい。
1億円の脱税は、50人の生活保護費の1年分である。一人が年に1億円脱税す
ると、50人の人間が生存権を奪われるのだ。そのくらい現在の脱税の罪は重い。
そんな中、林家正蔵という落語家が1億2000万円もの申告漏れが発覚した。も
ちろん、ばれただけでの金額である。
こんな憲法違反の大罪人(諸外国では刑務所にぶちこまれるだろうし、徴兵逃
れと同等の非国民行為である)をした人が堂々と記者会見をし、すべてのマスコ
ミは正蔵さんと「さん付け」で呼ぶ。
日本のマスコミに護憲の意識があるのだろうか?憲法は守らなくていいのなら、
改正の必要はない。
記者会見の彼の言い分は「芸人ですから」ということである。
芸人は憲法を守らなくていいのか?
芸人は憲法を守らなくていいということは、前々からマスコミが追認してきた
ことだ。
安達祐美なるタレントの母親も、学校に行かさずにタレント活動をさせていた
ことを公言していた。それを教師が注意すると、「この子どもの将来に責任がも
てるのか?」と言い返し、教師が黙ったという。
こういう武勇伝を喜んで、テレビやラジオに出演して語るのである。
そして、コメンテーターと称する連中も司会者も、それに納得して、追認する。
誰一人憲法違反という指摘をしない。
今でこそバッシングの対象になったが、人気絶頂時代の亀田親子も同じ理屈で
学校に行かないことを公言し、それをどのマスコミも憲法違反と報じなかった。
そんなことを言い出したら、「自分の将来のために税金を払いたくない」という
道理がまかり通ってしまう。徒弟教育を受けないことで、将来、その仕事をつく
上では多少不利になっても、義務として受けさせなければいけないのが義務教育
なのである。大工や農業の徒弟教育は許されないのに、タレントやボクサーなら
許されるのなら、マスコミは職業に貴賎をつけているといわれても仕方がない。
逆に、日本の教師の組合や進歩派のテレビコメンテーターたちは、憲法改正反対
をほざきながら、憲法を本当に読んでいるのか疑問を感じさせたエピソードとい
える。
芸人は、憲法を守らなくていいのなら、国民の権利を主張してほしくないし、
ましてや選挙権も被選挙権もないものと考えるべきだ。
少なくとも、こんな考え方を芸人がする限り、彼らにプライバシーの権利はな
い。もちろん、きちんと納税し、きちんと子どもを義務教育に通わせるのならば、
義務を守っているのだから、権利も守られるべきなのはいうまでもない。
ついでにいうと、この非国民正蔵の親、海老名香葉子さんは教育再生会議のメ
ンバーであり、道徳を教科にしろと主張しているようだが、道徳を云々いう前に、
法律や憲法をきちんと子どもに教えてから、委員をやったらどうなのか?
こんな人間に教育再生会議のメンバーである資格はない。