自己流は“事故流”~「上手くいかないやり方」が上手くなるというジレンマ~ | 言葉化1000本ノック~「話し方」ほどビジネスと人生を左右するスキルはない!~

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「ヨシダってどんなヤツ?」
と思われた方へ
長い長い自己紹介「ヨシダミツルのできるまで」

「自己流は“事故流”」っていう言葉があります。

 

言い得て妙だなぁ…、と感心してしまいましたね。

 

以前、体験セミナーを受けた方から

 

「全然上手くいきません(涙)」

 

という、まぁクレームとまではいかないけど、ちょっとしたグチを言われたことがあるんです。

 

体験セミナーとはいえクライアントさん。

きちんとフォローアップしようと思い、そのまま個別セッションに突入して話していくと…。

 

体験セミナーの内容を自分なりに解釈し(ここまでは良いんだけど…)

自分なりのやり方に変えて(ここが問題なのよ…)

それを何度も繰り返す

 

ということをしていたらしいです。

 

で、一体どういうやり方をしていたかを聞いてみると、僕が体験セミナーで語ったこととは似ても似つかない、どちらかというと「これはやっちゃダメですよ」と言っていたことをやっていたらしい…。

 

なので、「そういうことは言ってませんよね?」とか「これは『やっちゃダメ』って言いませんでしたっけ?」といったことをオブラートに包みながら向けていくと、

 

「自分にはそっちの方が合ってると思ったんで…」というお答えでした。

 

 

 

実は、けっこうこういう人は多いです。

 

これは誰にでもあることなんですが、自分の中に新しいものを取り入れようとすると…というか、まぁ「取り入れる」までは良いんですけど、それを実際に行動に移して実践しようとすると、意識の中で“抵抗”が起きるんですね。

 

というのも、いろんなところで言われていますが、人間の脳とか意識って、「現状維持」をしようとするんです。

 

そしてたとえそれが「良い方向」に変わることだとしても、「変化」することを阻止しようとするんです。

 

そうした「現状維持を目指して変化を阻止しようとする意識」に負けた結果が、「自分なりのやり方への改変」なんですね。

 

人間の脳とか意識っていうのは、けっこう小狡いところがあってですね、

 

変化しているフリをしながら現状維持させる

 

ということやるんです。

 

まさに「自分なりのやり方への改変」がその最たるものですね。

 

せっかく自分を変化させる方法を学んだのに、イザそれを実践しようとすると

 

現状維持を目指す意識は、さまざまな葛藤を起こさせるんです。

 

そしてその葛藤の結果、「自分なりのやり方」…つまり自己流に改変して実践させるんです。

 

そうするとね、実践はしてるから一見すると「変わる方向」に向かっているように見えるんですけどね、本来の「変えるためのやり方」からはかけ離れた方法になってしまっていますから、どんなに実践しても変わらない…、つまりは「現状維持」を目指す意識の手助けをしてしまっているワケです。

 

 

スポーツなんかでね、ちょっとスランプに陥って自分の技術を見直そうとしたときね、基本のやり方から随分とかけ離れた“自己流”のやり方になってることに気づいたりすることがあります。

 

そこに気づいて基本のやり方に戻そうとすると、身体に違和感を覚えたりすることもあるんです。

 

それは、実際に良い方向に変化させようとしているのに、それを阻止しようとする脳や意識が身体の感覚を通して「ヤメロ、ヤメロ…」と言ってきてるワケですよ。

 

 

スキルやノウハウを身に付けようとするときっていうのも、同じようなことが起きてるんです。

 

学んだスキル、学んだノウハウを実践しようとすると、何となく違和感を抱く。

 

その違和感を解消しようとして、自分なりの方法に改変してしまう。

 

そうすると“違和感”はなくなるけど、元のスキルやノウハウとは違うから、上手くいかない。

 

でも自分は学んだスキルやノウハウを実践している“つもり”だから、それをやり続ける。

 

やり続けると習熟してくるんだけど、それは結局「上手くいかないやり方」が上手くなっているだけ。

 

だからそれをやり続けると、ますます上手くいかなくなる。

 

自己流を続けるって、そういうことなんです。

 

 

 

洋の東西を問わず、自分でゼロからすべてを生み出した人っていうのは少ないです。

 

いろいろな知の偉人がいますけど、そういう人たちのほとんどは別の誰かから学んでるんですね。

 

稀に学ばなくともできるような超天才もいますが、そういう人は極僅かです。

 

天才モーツァルトだって、父レオポルトによる教育(非常に短期間だったらしいですが)がなければ、その天才性を開花させることはできなかった…少なくともあれほど早期には…と言われています。

 

 

 

でね、スポーツや語学みたいなものは、けっこう人から学ぶということに抵抗のない人が多いんですけどね、ビジネススキルやノウハウっていうのは、なぜか“学ぶ”という意識が低いんですね。

 

よしんば学んだとしても、すぐにそれを自己流に改変してしまうんです。

 

そして最終的には、「このスキル、このノウハウは自分には合わない」とか「役に立たない」とか言い始めるワケです。

 

 

 

じゃあ、こうした「自己流による事故」を防ぐにはどうしたら良いのか?

 

方法はね、一つしかありません。

 

愚直にやり続ける

それも改変することなしに

 

これだけです。

 

上に書いたように、最初は違和感を抱くんです。

 

新しいことを始めよう、今までの自分になかったものを取り入れよう、身に付けようとしているわけですから、最初から上手くいくワケがないし、サイズの合わない洋服を着ているようなもんで、違和感があるのは当たり前なんです。

 

でもそれを、改変せずにそのまま愚直にやり続けることで、違和感はなくなっていくんです。

 

よくね「守破離」なんていう言葉を使いますが、この違和感がなくなった状態が「守」なワケですよ。

 

自己流っていうのは、「守」の状態をすっ飛ばして「破」に行き、さらにその「破」も中途半端な状態で「離」に行こうとすることなんです。

 

 

 

自分を変えよう、自分を向上させよう、自分の中にないものを取り入れよう、身に付けようと思ったら、まずは正しいやり方を学ぶことです。

 

そして、それを違和感がなくなるまで、そっくりそのまま愚直にやり続けることです。

 

近道はありません。

 

「『上手くいかないやり方』が上手くなる」というジレンマから抜け出す方法は、それだけなのです。