キンモクセイと鬼の涙
今日は鬼北町で仕事でした、大きなキンモクセイの木が良い香りでした、鬼北町を通ると
思い出す出来事があります。
前職の時のお話です前職では南予担当で
専属の協力店の方が鬼北町に住んでおり
年齢は私より15歳以上年上で非常に気が合い
我が家に遊びに来たり彼の家に遊びに
行ったりと公私ともに仲が良かったです。
仕事では非常に厳しい人でしたが
仕事を離れるととても良い人でした、
彼の息子さんがアルバイトで来ていて
いつも2人で仕事してました、15年ぐらい
前の暑い夏の出来事です、私はメーカー系の
会社で彼に仕事を発注する立場で彼に
仕事をどんどん依頼していました、とある日に彼から「ちょっと背中が痛い」と言われた
ので心配なら病院行かないとって言うと彼は
「今週は仕事して週末休んで病院に行く」と
言われたのでその時はあんまり気にしてなかったのですが翌日の夜に自宅に帰ってると
彼の息子さんから
「お父さんが現場の屋上で
倒れた、息をしてない、救急車は呼んだ
今すぐ来て欲しい」と泣きながら連絡があったのですぐ着替えて現場に向かうと現場には
警察が来ていて、協力店の彼が亡くなったと
聞きました、その後に現場検証に立会い現場のお客様にお詫びと後片付けをして大洲市内の病院に向かいました。
病院に到着すると
彼の奥さんと息子さんが彼の遺体のそばで
泣き崩れていてこの時は辛すぎて声をかける
事が出来なかった、遠目に彼の半開きの目から涙が出てるように見えました、あの時の光景は未だに鮮明に思い出してしまいます、
前日の背中が痛いと彼が言った時に無理矢理休ませて病院を受診させてればこんな事にならなかったと今でも思います、心筋梗塞でした。
葬儀も終わり少し経った頃に彼の奥さんが
来て泣きながら「息子に仕事を教えて一人前にして欲しい」と言われました。
私は責任を感じて会社を退職する旨を伝えました。
退職願いを当時の上司に提出しましたが、目の前で破られて却下されました。
上司曰く
「本人の健康管理の問題だからお前が辞める事は認めない、責任は少しあるかもしれないが
どうしても辞めたいなら息子さんを一人前に
育ててから考えてやる」
と言われました。
後から聞いた話ですが私が辞めるのを彼の奥さんが上司に連絡して止めて欲しいとお願いしていたみたいです。
一応思い留まり彼の息子さんに仕事を教えてる事に何度かの夏は一緒に周り色々教えて
10年ぐらいでだいたい一人前になったと
思います。
私が前職を辞めたのは直接この出来事は関係
ありませんが当時は相当悩みました、今でも
人を使う立場になる事が多いので退職願は常に
準備してます、辞めれば責任が取れるかと言う
問題ではありませんが厳しく自分に戒めてます。
彼が亡くなった年が55歳でした、私も
今年ちょうどこの歳になります、人間って
簡単には死なないけど簡単に死ぬ事もあります、だから毎日を丁寧に一生懸命、人に優しく
生きるように心がけてます。
息子さんとは今でも仕事のお付き合いや
一緒に釣りに行ったり公私ともに仲良くやってます、結婚もして家も建てて子どもも
産まれましたよ、天国のお父さん息子さんは
一人前になりましたよ!
長文で重い話しでごめんなさい、最後まで
読んでいただきありがとうございます。