都市の一人当たりの温室効果ガスの排出量は、その国全体の平均排出量よりもはるかに少ない場合が多いという調査結果を、IIED(国際環境開発研究所)のドッドマン氏が『Environment and  Urbanization』誌4月号上で発表した。ドッドマン氏によると「気候変動の原因は都市にある」と考える傾向が、本当の原因と見られる富裕国の持続不可能な消費などから注意を逸らさせているという。

論文ではアジア、中南米、北米、ヨーロッパの都市の温室効果ガス排出に関する報告を検証している。ニューヨークの一人当たりの温室効果ガス排出量は米国平均の3分の1未満、バルセロナはスペイン国内平均の半分程度、ロンドンはイギリス国内平均の約半分、ブラジルの2大都市サンパウロとリオ・デ・ジャネイロは、ブラジル国内平均の3分の1未満だった。

「多くの都市では一人当たりの排出量は驚くほど少ないが、明確なのは、豊かな国々全体が最も多くの温室効果ガスを排出しているということだ。気候変動の真の犯人は都市ではなく、富裕国で見られる大量消費型のライフスタイルだ」という。また現在、製造業における排出は製品を実際に購入、使用する国ではなく、製造を行った国の排出分として計算されている、という点も指摘している。 

ドッドマン氏は、必ずしも豊かさ=汚染ではないし気候変動の原因として都市を非難するのではなく、良く計画され効率的に統治された都市を目指すべきだと指摘する。「東京は一人当たりの温室効果ガス排出量が北京や上海よりもずっと少なく、繁栄イコール排出増加ではないことがわかる。うまく計画され効率的に統治された都市であれば、高い生活水準と少ない温室効果ガス排出の両立が可能だ」という。

都市に責任を負わせるだけではなく富裕国全体が大量消費という形を見直す必要があり、そのための整えられた政策の実現が待たれる。


(翻訳サポート:家永智子  文:鞍作トリ )

source:エコロジーオンライン