こうして私は日本へ戻りました



日本での業務をこなして

翌月には直ぐにタイへ行く予定だった



なのに何の運命の悪戯か?



プロジェクト一時中断の決定が出された

国内でもった煮詰めてから

タイへ展開しろとのお上からのお達しだった




仕事をベースにタイへ行ってたので

これで暫くはタイに行けなくなったのです


プライベートで行く事も考えてたけど

国内での仕事がとにかく忙しくて

そんな時間の余裕は取れなかった





それから数ヶ月後




彼女の従姉妹のママからメールが来た

ENがとうとう入院したと



そんな…



彼女の写真が送られてきたんだけど

元々スレンダーだったENが

更に痩せ細り

大袈裟では無く骸骨のようになっていた



ニット帽?包帯?をかぶっているけど

髪の毛はもう殆ど残っていないと言う…



それでも写真の中の彼女は笑顔…



今すぐ飛んだ行きたかった

でも日本での現実がそれを許さなくて…




ママからは手術代を送れないか?

と打診された

もちろんやりたい気持ちだった



しかし聞けば

日本円で140万円と言われて

当時の私にはとても出せる金額じゃあない




ママは

仕方ない気にしないで

あなたは悪くない

そう言ってくれたけど

私はただただ不甲斐ない自分に苛立った




その数日後…




再びママから連絡が来た






今日ENが亡くなりました






最後まで頑張ったよ

今までありがとうって…






私は自己嫌悪に陥って

悲しいのに涙も出ないほどに

頭の中は真っ白に

心にはポッカリと大きな穴が開いたように

何も出来なかった





その日は何も手につかず

家にも帰らず

仕事場でずっと放心状態でした




何もしてやれなかった…

どうして

なんで彼女がこんな目に…



この時ばかりは神も仏も恨んだのを

覚えています




〜つづく〜