初同伴のあと

流石の私も

そうそう毎晩はお店へ通えない



少し間も空くようになった



お店へ行く時は

ほぼ同伴で行くようにもなっていた



LINEや電話は毎日欠かさなかったけどね




私は既に彼女にもの凄く惹かれていて

多分、、、
彼女も私を少しは特別扱いしてただろうか?


この時点では

私の思い込みでしか無かったかも知れない






そうこうしている内に

彼女の帰国が迫っていた



そう

彼女はタレントであるが故

いつまでも日本に居るわけではない


ある同伴の時の事



サヨナラ パーティー キテクレル?




勿論私の答えはYES




この日に初めて

彼女とホテルへ行ったので良く覚えている



これでやっと心を開いてくれたのかと

独りよがりな思い込みが

事実になったと思った瞬間だった




そしてサヨナラの当日

ラストステージには来て欲しい

そんな風に言われてたけど

その時間には少し遅れてしまった




店へ入ると

既にラストステージのショーが始まり

彼女がステージ上で踊っていた


着席すると「ヘルプは要らない」

そうボーイ氏にそう頼んだ


彼女のラストステージだからね

ゆっくりと見ていたかったから





同時に帰国する他のタレント2名と共に

ラストソングを歌いサヨナラの挨拶




日本語が少し上達したな…



そう思っていると

彼女達は各テーブルに挨拶に回る



この日は満卓だった




いよいよ私のテーブルの番が来た


しかし








私はスルー……





あれ?どういうこと???






目の前を通り過ぎる時に

彼女はウィンクして行ってしまった







そして他のテーブルを回り終えてから

私の所へ戻ってきた




どうやらこの日の他の

サヨナラタレント2人と話を合わせていて

私のテーブルを最後に行くと決めていた様だ




そして私は彼女以外の女の子と

握手して別れを告げた




1番最後にいよいよ彼女の番

当然、手を差し出すと思ったら



いきなり私にダイブしてきた



ちょ…ちょ…ちょっと…



いきなりの事で軽くパニクる私


そして強くハグしてきて


アリガト Honey


頬にキスをされ


マタ アトデ


と彼女は言い残し

彼女達は本当に最後の挨拶をするため

再びステージに戻って行った




ショータイムは終わり

他の指名客を回り

私のテーブルへ再び来た彼女


キテクレテ アリガト


またまた強くハグしてきて

今度は口にキス



おいおい、他のお客さんいるから

まずいよ



ダイジョブ

カンケイナイ!



私がくる前から相当飲まされたみたいで

既に彼女はかなり酔っ払っていた



明日の朝には彼女は日本を発ってしまう

そう思うと何だか悲しくなってきたな…



そう思っていたら

彼女の方が先にその現実に直面していた様で

既に私の胸の中で泣き出している






実は彼女

この日に次の来日契約を

プロモーターとお店とで済ましていて

3ヶ月後に

再び日本へやって来る事は決まっていた




それでも

二度と会えないかの様な別れだった



「きっとまた会える」



そう誓い合ったサヨナラの夜は終わった








そして翌朝


元気な笑顔で空港に居る写真が送られてきた




サヨナラ ジャ ナイナ




彼女はそう言って

フィリピンへと飛び立って行ったのでした