しばらく更新をさぼっていました。無事に過ごしています。

 

膵臓がないがためにインスリンが出ないから血糖値を下げるためにはインスリンの注射が欠かせません。そのためにも毎食前に血糖値がどのくらいなのか知る必要があります。また、インスリンの注射をしたとして、その分量が多過ぎると低血糖(体がふらついたり、悪くすると意識不明になるそう)になって身の危険の心配があるので、血糖値を把握するのは重要です。(加えて就寝前にも血糖値測定を求められています。眠っている間に低血糖になるといけないからです。)

この手の話は膵臓があっても糖尿病を患っている人と同じです。

 

TP術後の入院中は看護師さんが指先に器具を押し当ててパチンとして針を刺して血液を出して測定器をあてがって測定していました。退院が近くなると、この一連の作業を自分でできるように、看護師さんに見ていてもらいながら練習を始めました。

自分でするとなると、ちょっとビビッてしまって針がうまく刺さらなくて血が出なかったり、あるいは冬の寒い時期だと指先の血流が悪くて十分に血液が出てこないということが起こりました。また、針を何度も刺すとさすがに指先の皮が強くなって(あるいは、抗がん剤のTS-1の副作用なのか手指先の皮膚が厚くなって)、針の刺さりが悪くなって血液が十分に出てこないこともあります。悲しくなるのは、指先から血液が出て、測定器に吸い込ませても血液の量が不足して「測定不能エラー」となってしまうことです。

 

2023年の夏から「持続的血糖値モニター(CGM= Continuous Glucose Monitor)」という装置を使っています。TP術前の糖尿病科の説明で、「500円玉くらいのものを上腕の裏側に貼り付けて血糖値を常に測定できるものが存在する。いずれ使うことも考えよう」と聞いていたので、早く使わせてもらえないかなと思っていました。

使い始めたものはセンサー(細い魚の骨のような針が出ていて、USBメモリーくらいの大きさのもの)をお腹に貼るタイプで、Dexcom G6というモデル(病院ではG6=ジーシックスと呼んでいる)です。

 

このDexcom G6というCGMはありがたいもので、次のような恩恵を受けています。

1) 24時間常時血糖値を知ることができる。(Bluetoothでスマホ接続してアプリ画面で見る。)血糖値が下がるとアプリの低血糖アラートが鳴る。ので、例えば睡眠中でも低血糖に気づくことができる。変動をグラフで見ることができる。

2) 血糖値がスマホ経由インターネットでクラウドに転送・蓄積されてPCやiPadで見ることができる。(その記録を病院と共有できる。)診察時に医師もこのデータを見ている。ので、血糖値手帳に記録する必要がない。

3) 毎食前・就寝前の血糖値測定に時間を費やす必要がない。そのたびの痛い思いをしなくてよい。

 

一方で、次のような今一つ努力が必要なことを感じています。が、これらの事項も上記の恩恵に比べれば大したものではありません。

1)センサーが使えるのは10日間、期限がくれば交換する。場合によっては(おそらく貼り付けた腹部の位置、内側の微妙な違い)10日を待たずに測定値がばらつく、あるいはエラーが出て交換しないといけなくなる

2)センサーを取り付ける(腹部に貼り付ける)手間がおおげさ。装着のための器具(アプリケーター)が大きくて、取付の際にバチンという音がする。おそらく、針をうまく入れるために、向きや力加減・入れるスピードなどをこの器具にさせるための工夫がされているのでしょう。

3)費用がかかる。

 

こういう文明の利器を使って自分自身の血糖値の動きが把握できて、食事や生活の工夫がしやすくなるのはとてもいいことだと感じています。