土曜日に私の家の近くの喫茶店で会うことになりました。

私は色んな意味でドキドキしていました。

産むことは許してくれたけど、私は高校生。

お母さんも言いたいことが沢山ある思う。


私たちの方が先に付き、待っていました。

何を話すわけでもなく、入口を見つめていました。


少ししてからKさんがきました。

挨拶をして本題に入りました。

Kさんは何をしゃべるわけではなく、

ただお母さんの話を聞いていました。


おろすことはさせない。

今後どう考えているか。

高校生にこんなことさせてどうするか。

娘の将来をどう考えているか。

おばあちゃんの体のこと。

聞きたいこと全て聞いていたと思います。


当たり前だけど、マイナスな返事はいっさいしていませんでした。

高校卒業してからすぐに籍を入れること。

結婚して子供ともども大切にすること。

迷惑をかけることも沢山あると思うけど、

がんばります。

と言っていたような気がする。


卒業まであと3カ月。

どうにか卒業式までばれないようにしないといけない。

出席日数もたりないから、ちゃんと学校にはいきました。

ただ、バイトはやっぱり大変なので辞めました。

本当は続けたかったけど、そうもいかないし。

会える時間も少なくなるけど、

これからは毎日一緒にいれるし、

何より、赤ちゃんを無事に産まないと。

そう考えていました。


私がバイトを辞めた代わりに、

N子がバイトを始めてくれました。

バイト先の人にも私たちの仲を知ってる人がいたので、

送別会を開いてもらったり、

辞めたあとでも連絡をくれたりしていました。




それから、私は親に気付かれないように、

学校にバレないように、

普通に学校にも行き、バイトもして、

おばあちゃんのお見舞いにも行っていました。


授業も眠くてしかたなく、毎日寝ていました。

その頃に出席日数が足りなくなりそうで、

卒業が危うい。と担任から親に電話がかかってきました。

もちろん親に呼び出され説教です。


でも、説教だけではなかった。

『担任から電話あって、後1日休むと卒業出来ないって。

ちゃんと卒業して。おばあちゃんだって、

あんたのことを心配しているんだし。

しかも・・・おばあちゃん・・・

あと半年生きれるかわからない・・

だから卒業だけはちゃんとして。

それと・・・私にもおばあちゃんにも言わなくちゃいけないことない?』

赤ちゃんのことだ・・・とすぐにわかった。

だけど、おばあちゃんが半年しかいきれないって言われてる中

私には言えない・・・

そう思っていました。


『あんたお腹に赤ちゃんいるでしょ。』

そう言われました。

『女だけしかいない家で、しかも、生理がきてないことぐらい

わかっていたよ。でも、おばあちゃんのこともあるし

あんたが言ってくれるまで待っていたけど、

状況がかわってしまったから言わせてもらった。

私はおろせとは言わない。だけど・・・

相手の人がどう思っているか分からないから

ちゃんと合わせてほしい。

おばあちゃんにもちゃんと話しなさい。』

と言われました。


産んでいいんだ。

お母さんがいいと言ってくれたから、

結婚して、幸せな家庭を作らないと。

そう思いました。

そしてKさんに電話をして、話をしました。

後日Kさんと私とお母さんと3人で会うことになりました。


土曜日になり、会う約束をしたけど、

『今日も会議があるから、終わったら連絡する』

と言われた。家で待ってることはできず、

『おうちで待っててもいい?』

とKさんの家で帰ってくるまで待たせてもらいました。


Kさんが家を出てからずっと検査薬とにらめっこ。

結果が出るまでの時間を一人で過ごすのはいやだけど、

できてなかったら言うこともないし・・・

と色々考え一人で帰ってくるまでに検査をしようと決めました。


待ってる間はドキドキでした。

できてたらなんて切り出そう。

私まだ高校生だし、おろすことになるだろう・・

なら言わない方がいいのか・・。

でも、できてたら産みたいと絶対思う。

でも、やりたいこともまだあるし、

でも・・結婚なんてしてくれるはずもない。

産むとしたら一人で育てるのか。

でも・・・でも・・・

頭のなかはそんなことばっかりでした。


できてる・・。

産みたい。


そう思いました。

でも、どうしていいかわからず、

不安だけしかなかったです。

Kさんが帰ってきて、少ししてから話を切り出しました。


『子供ができました。』

えっ・・・・。という顔をしていた。

どっちにとっていい顔なのか私にはわからなかった。

『お母さんに会いにいかないとね』

と言われました。

その言葉はうれしかったけど、本当は

喜んで、産もうね、とか結婚しようねとか

そんな言葉を待っていた。

気がする。


でも、高校は卒業しないといけないし、

学校にバレたら退学だし、

担任と進路の話もしていた所だし、

しかも・・・

おばあちゃんが入院しちゃって、今は言える状況じゃない。

そう思い、N子に打ち明けました。


もちろんN子もビックリしていました。

N子は

『周りがダメっていっても、私は助けるから

自分のやりたいようにしな

家にいれなくなったら家に来てもいいし』

と一番うれしい言葉を言ってくれました。