ペースメーカを植え込んだ後は、心電図波形の他にも、合併症の出現に注意が必要。
ペースメーカは、鎖骨の下にジェネレーターが植え込まれる。そのため、植え込む際に皮膚を切開するが、術前から栄養状態が不良の患者さんや、糖尿病の患者さんなどは、創部の感染を起こす可能性が高くなる。そのため、術後は創部からの出血を確認する他に、疼痛や熱感、発赤、腫脹などの感染兆候を認めないか、十分に観察する必要がある。
創部の保護のため、車のシートベルトはタオルでおおい、ショルダーバッグは反対側にかけるように説明する。
また、術後は植え込んだペースメーカの固定が不安定なため、安静を保たないとリードの先端がズレてしまうことがある。リードの先端がズレてしまうことで、ズレたリードによって横隔膜の神経が刺激されて吃逆(しゃっくり)が持続するという症状を認め、こちらもペーシングが上手く行えず、ペーシング不全に繋がってしまう。位置がズレることで、再度調整のため処置が必要となり、患者さんにも負担がかかる。なので、肩よりも高い位置に腕を上げすぎないように説明をして、協力を得ることが大切になる。
リードが心臓内に固定されるまでに約1〜2か月かかる。その間は、上肢を動かすことに制限が生じる。
3か月後ぐらいから手術側の腕を激しく動かすスポーツ(テニスやゴルフなど)が可能になる。
上肢の制限があるため、更衣の際は検側から脱ぎ、術側から着るなどすると着替えやすい。
前開きタイプの肌着や上着を準備しておくと便利である。
また、ペースメーカの挿入に伴い、静脈血栓や閉塞の発生の有無や、創部および植え込み部での静脈怒張の有無についても確認する。
恒久的なペースメーカを植え込んだ患者さんでは、自己管理の援助が重要。ペースメーカが正常に作動しているかどうかを確認するために、脈拍を1日1回必ず観察するように指導する。
自己検脈は橈骨動脈で行い、設定心拍数正常であることを確認する。
異常時の対応のため、ペースメーカの機能・種類・セットレートについて書かれたペースメーカ手帳や患者カードを携帯するように指導する。
心機能の低下および、感染やそれが疑われる発熱、手足のむくみ、めまい、息苦しさら吃逆(しゃっくり)などが出現したときは、受診するように指導する。