出勤する時にいつも近くの駐車場の側を通るのですが、その中にゴミが点在していました。ただ、不思議な事になんとなく順番を感じたのでよく見てみるとカラスの仕業でした。スーパーの袋、小さなポリエチレンの袋、お惣菜用のプラスチックパック、そしてその先にメザシが5~6匹、その横にこちらを睨みつけるように大きなカラスが一羽。

 

またゴミを荒らしてるな、これは脅かして飛び立たせないと・・・と思い、足を止めて睨み返しました。対峙すること3秒。するとそこに点在しているメザシをできるだけ多くくわえようとし始めたのです。くちばしに3匹挟み込みそのカラスは飛び立ち小さな交差点を左折するように飛んで行きました。

 

その交差点に差しかかり飛んでいった方を見ると、ある家の2階の雨どいのところにとまりこちらを見ています。でもさっきくわえたメザシはそのくちばしには見当たりません。よく見ると雨どいのところにちょこんと乗っかっていたのです。恐らくは私が立ち去った後もう一度同じ場所に戻り、残りのメザシを取りに行ってあとでゆっくりと食べるのでしょう。

 

屋根の上に乗せたメザシを先に食べるのか、駐車場の残りのメザシを先に取りに行くのかとても興味深かったのですが、出勤前にカラス観察をするわけにもいかず駅に向かいました。おそらくあの体勢であれば先に駐車場にいくのでしょう。先に取ったメザシは雨どいの中においてあるので、短時間のうちであれば他のカラスには採られることはありません。

 

その間わずか数秒。ヤツはできるだけのメザシを加え、すぐに戻れる場所で偵察を開始し、他のカラスに見つからない場所に獲物を置き、私が立ち去るのを凝視していたのです。そのカラスの隙の無い行動に感心しました。都会のカラスでも自然界で生きている事に変わりありません。人間が変えてしまった環境にも見事に適応してたくましく生きています。たくましさを失くし、厚かましくなったのは動物の中では人間だけなのかもしれません。