占いには批判的な私も、さすがに姓名判断だけは少しだけ違う扱いをしました。我が家にはの子供がいますから5回の命名のチャンスがあったわけですが、漢方薬と同様に中国4千年の歴史を越えてきたものにはとりあえずの敬意を払いました。でも実際調べてみると最初からがっかりさせられたのです。私の苗字の部分が12画で凶数だそうです。ということは家族全員この苗字を名乗り続ける限り「凶」ということになります。これでまず信じる気持ちは完全に失せました(笑)。ただ、名前の部分については少しでもそれをリカバーできるように命名しました。名前のせいで不幸になったなんていう人が彼らの周りに出てくるかもしれませんので。まあ、魔除け程度の扱いす。

 

一番上の子の時はある程度教えに従い、総画数を「最大ラッキー数」と言われる15画にしようと思いましたが、名前の部分は3画しかありません。3画の名前というと、士、大、丈、三、山、一二(かずじ)しかありません。この中であればやはり「」でしょうね。英語の単語で同じ発音の「DIE=死」を少し気にしましたが、外国人の友達に聞いてみたら全く気にならないとのこと。これで「大ちゃん」と呼びやすい名前が誕生しました。「海外に縁がある」と言われる画数らしいのです。今までほとんど海外がらみの仕事が多かったのですが、彼の15画の命名のご利益でしょうか?いや、全く関係ないでしょうね。彼自身の海外体験は二十数年のうち香港時代の数年だけですから(笑)。

 

2人目の長女は香港で生まれました。「」の字が美しいので是非使いたく思い調べたのですが、この字を使って苗字との組み合わせを調べると画数が良くない。いい加減にしてくれ、って感じでしたね。その時あくまで魔除け程度という考え方が確定しました。組み合わせるもう一文字は、糸偏の字で女性らしさを意識してくれるようにと「綾(彩は左右のバランスが悪い印象があったので)」を選びそれに香港の香を組み合わせて綾香としました。我ながらいい名前だと思っていたら、すぐ後に松田聖子が出産して「さやか(沙也加)」と命名したため長女の世代は「あやか・さやか」だらけになってしまいました。ちくしょ~、松田聖子め!

 

3人目は初めての自然分娩の子供でした。娘が生まれたら「かおり」という「綺麗な音」をずっと使いたいと思っていましたから、読み方はすぐに決まりました。香織だと上の娘と字がかぶりますから、「」という字にしました。ただ、彼女から命名の際には総画数よりもこだわった部分ができました。上の二人の名前の最初の音の母音が「A」なのです。人が誕生して小学校のある程度まで一番口にする単語は自分の名前です。その名前の最初の母音が「A-Sound」であれば口を一番大きく開かなければ発音できません。その発音動作は明るく・外交的な人になる基本的要素になるかもしれないと推測し「佳織」に決定しました。

 

4回目の出産はなんと双子で、娘だったら合計4人になり、今午前中に再放送されている人気ドラマの家庭のようになります(渡る世間・・・)。もしくはこのブログの読者の一人であるhimeさんちのよう (←詳しくはクリック)にとても賑やかになってしまいます。生まれてきたのは息子達でしたのでその心配はなくなりましたが、9ヶ月目の帝王切開で2000gと2500g。両手の上に乗っかるくらいの大きさしかなく、握りこぶしなど私の親指の爪くらいの大きさしかありませんでした。誕生して少し黄疸がでたこともあり、保育器で約一ヶ月。その後もアトビーと小児喘息(市の認定患者レベル)で入院したことが何度もあり結構苦労しました。でもそれらが名前に起因しているということはないでしょう。

 

話が少しそれましたね。彼らの命名についてですが、当時ID野球と言われたヤクルト監督の野村克也とその愛弟子古田敦也の「かつや・あつや」が幾度となく話題になっていて(実際に誕生の翌年には優勝)、その音がいつの間にか意識の中に刷り込まれていたせいか、少し違う形の「克也・達也」にすんなり決まりました。最初の音が「A-Sound」だったのも大きな要素でした。彼らの名前を人に話すと、双子の連想からたいてい「タッチ(野球マンガ)みたい」といわれますが、ひとりのほうは「和也」で途中で死んでしまいます。克也にしておいてよかったとは思いますが・・・実は彼らのいとこに「みなみちゃん」がいるので「準タッチ」的ではあります(笑)。幸い克也・達也の喘息以外はみんな健康で、ぐれる事も無く素直に育ちましたので姓名判断よりもA-Sound効果」の方が有効だったのかな、と思っています。

 

命名はとても大切な行為です。最近は奇を衒うような名前をつける親が増えたように思います。かなり前になりますが、「悪魔」という名前をつけられた子供が話題になったこともありましたし、長男の同級生には「アトム」君がいました。我々が使う漢字は「表意文字」です。それだけにちゃんとその意味を考えてつけないと「夜露死苦(ヨロシク)」といった漢字の使い方のように、音だけに囚われた「格好だけを考えた」命名になります。

 

最近子供が被害者になる事件や事故が多発していますが、子供たちの名前を見ると「気を衒った名前」が多いような気がするのです。格好だけを気にする親だからそれらの事件や事故が起こったのではないかと・・・。これから先パチンコ屋の駐車場で熱中症で亡くなる赤ちゃんや虐待で亡くなる子供たちがいたら名前に注目してみたいと思います。普通の名前と奇を衒った名前との境界を決めるのはとても困難ですが、何かしら傾向が現われれば、同じような格好で命名した親は子供に対する接し方やしつけの仕方をもういちど見つめなおした方がいいかもしれません。事件を起こした親と同じレベルとはいいませんが、思考回路が似ている可能性がありますから、感情の起伏や行動パターンも似ているかもしれないからです。親のせいで不幸になる子供の数はこれ以上増えないでもらいたいです。本当に胸がいたみますから。

 

結論】

姓名判断とは、名前の画数や文字の陰陽から当人の運命や未来予言するものではなく、命名の際の親の思考レベルを確認するもの。子供の名前に対して(音だけを考えたような)変わった名前とか珍しくてかわいい名前(完全なお世辞)という風に言われたことがある親は気をつけるべし。少なくとも乳幼児の時期に車でパチンコには連れて行くべからず。